第3話 剣聖の実力 ~転校生編~
私が彼が羨ましい。
師匠に構ってもらえるから。
数日この学園で過ごしていると彼の悪口を良く聞く。
彼のすごさを知らない人達の言葉だからか彼自身は特に気にしてないようす。
私としてはそんなことを言っている暇があるなら鍛練を行うべきだと思う。
しかし、彼はどうするつもりなのだろうか?
・・・
紅葉が来てから数日がたった。
彼女は人気者になっていた。
しかし本人はあまり嬉しそうではなかったが。
「これからみなさんには一対一の模擬戦をしてもらいます。」
魔獣や魔人がいない僕たちに取って戦う相手は人だ。
こういう模擬戦は必要になり、生徒もまた集中して行う科目だ。
「透刀君と紅葉さんは別ですからね。」
ちなみに僕はこの授業を受けない。
紅葉はなぜだ?
「紅葉さんには、学園長の命令で透刀君と戦ってもらいます。」
「・・・なんで?」
思わず問い返す。
なぜなら今まで僕は模擬戦をやってこなかったからだ。
実力を隠すのと、心霊装が起動出来ないからだ。
「それは分かりません。詳しくは学園長に聞いてください。
それでは、組み合わせの発表に移りますよ。」
あの学園長 なんのつもりだよ。
「透刀さん。よろしくお願いします。」
「は はい。こちらこそ相手になるか分かりませんがよろしくお願いします。」
この場所は、全員が模擬戦してもあまるくらいに広いので、僕たちは早速対戦することにした。
「それでは参ります。 緋鋭 行きますよ。」
「了解」
心霊装のもうひとつの特徴として、心霊装は人の形をし 意思を持っている。
これは世界中の研究者が調べてもわからないらしい。
「いつみても綺麗だ。」
紅葉の心霊装は緋鋭 真っ赤な刀身をした日本刀だ。
「まずは、てぇーやぁ!」
技を使わず、まっすぐに斬りかかって来る。
「さすがは剣聖の名は伊達じゃないか。」
しかしどうするか。心霊装は使用できないしな。といっても力を抜いて戦うには技を使われたらきついしな。
「考え事ですか!」
「!」
僕は避けることに意識を向ける。
「はぁー!」
「厄介な・・・仕方ないか。」
僕は力を使うことにした。
「義心霊装 起動。」
義心霊装 これは一般的な心霊装と違い、心霊装と打ち合える鉱石を使った装備だ。
そのため意思や自我がないため、
「これも彼女達のお陰か。」
「おい あいつ、なんで心霊装使えるんだ。」
周りがざわつき始める。
しまったな。義心霊装は秘匿事項だっけか。まぁ、いいや。
こいつと戦わせた学園長が悪い!
「はぁー!」
紅葉が向かってくる。
「ふっ!」
もう逃げる必要がない。
僕は受け止める。
「くっ、さすがは暴君 お見事です。」
「そりゃどうも。」
「仕方ありません。」
何度か攻防を受け、彼女は離れる。
「では、行きます。」
彼女の緋鋭から炎が生まれる。
「それでは行きますよ!」
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