その155 アニメゲームのキャラの体重の軽さは異常
「それでは行きますよ! ラウラ様……? ラウラ様ー!?」
突如骨が抜けたようにぐったりとした私の姿を見て、慌てるジェーン。
これが本当に骨抜きされたってやつだね……。
嗚呼……天使が見える……このまま逝ってしまおうか……。
……いや、まだ死んでいられない!
見たい推しがいっぱいあるんだから!
「……………………………………………………はっ!? ごめん、ジェーン、ちょっと死んでた!」
「ちょっと死なないでください!」
「刺激が強すぎて……で、でも大丈夫! 一度死んで耐性がついたと思うから!」
「そんな戦闘種族みたいな生態していたのね~」
オタクは一度死ぬことで強くたくましくなれるのだ。
それに、いくら何でも何度も何度も死んでいてはジェーンに申し訳がない。
ゾンビとなりて不死鳥となりて頑張ってこの世に留まらなくては……!
「で、ではもう一度……ギュッと」
口で擬音を口にするという可愛さの最上級みたいなことを言いながら再び抱きしめられる私。
思わずよく分からない声が口から洩れる。
「ゴファ……はぁ……はぁ……よ、よし行こう……」
「本当に大丈夫ですよね!?」
ジェーンの体型がそれなりのグラマラスさなので、柔らかさがヤバすぎた!
私の骨に皮張り付けたような容姿とは対照的過ぎて、その差がダイレクトに肌から伝わって来る。
興奮するのも失礼な話なのだけど、しかしどうにも興奮してしまう自分がいた。
乙女だけど……乙女だけど心の中にイマジナリーおっさんも潜んでいるんです……!
「空中で鼻血とか出るかもしれないけれど、それだけだから……」
「空から血を散布するのはかなりヤバい絵になると思うわよ~」
「ええっと、では、飛びます!」
すったもんだありつつ、ようやく私とジェーンは抱き合ったままに空中へ浮かんでいく。
その空を飛ぶときの足がふらつく感覚、重力を失う実感、空虚な感傷には人を不安にさせる力がある。
よって自然と抱き合う力も自然と強くなるわけだけど……あれ? これもしかしてジェーンと攻略キャラの皆様でやるべきことなのでは?
ぜ、絶対そうだ! それで物理的な距離も心の距離も縮まるんだ!
私がこの位置にいるのはどう考えても間違っている!
「お、お兄様! 今からでもいいのでこの位置をかわりますよ!」
「いや、猥褻行為になるだろ」
「正論ッ!」
でも乙女ゲームはどれだけ猥褻行為をかっこよく美しく書けるかみたいなところあるんですよ!?
「そもそも俺じゃ重すぎる」
「あっ、この飛行魔法って私がミニマムなのが有利に働くんですね」
「はい、むしろ私はちょっと重すぎる面が……」
「いやいやいやいや! ジェーン軽いよ! 殆ど綿みたいだよ!」
だってジェーンの体重設定滅茶苦茶軽いもん!
156㎝なのに体重41kgだよ!?
綿じゃん! 明らかに!
そのバストとヒップでは不可能な数字だよ!!!!!
アニメキャラ、ゲームキャラはその体重が異常に軽く見積もられることが多いけれど、ジェーンもその部類の人なのである。
ちなみに私は145㎝で37㎏。
これも相当軽いのだけどジェーンにくらべればまあまあ……。
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