エピローグ

「ある少女の結末」

 少女は満足していた。

自分はやり遂げた。彼女を生き返らせることができた。

そう幸福感に満ちた少女は、これまでのことを振り返る。

そして、これからの事も──


死んだらどこにいくのだろう?

死んだらなにも残らないのかな?

死んだらなにも考えなくていいのかな?


死んだら、きっとなにも感じなくなるんだろう。

あぁ、雨が冷たい。

きっとこれが────


冷たい?


「…………え?」


少女は目を開け眼球の動きだけで周りを見渡す。


「…………は?」


 近くに誰かの足が見えた。

その誰かは少女に向かって一方的に告げる。

「これにて儀式は無事執行され、完了しました。」

少女は起き上がって、誰かを見上げる。

「なに、言って……」

「ですから、儀式は終わり──」

「ツーちゃんは!!ツーちゃんはどこ!?」

少女は辺りをどれだけ探しても見当たらない友人の名前を呼ぶ。


「……彼女は死にました」

「…………は?」

少女は意味がわからないと嘆く。

「約束が違うじゃん!!生き返らせるって……!!」

「ええ。ちゃんと生き返りましたよ?」

「ならなんで!!」


「彼女が、そう願ったから。」


「!?」

「彼女が、貴女を生き返らせたいと、貴女の儀式とは別に願ったからです。」

「!!」

「貴女の執り行った儀式で、人間1人分の命が錬成され、それを彼女は貴女に使いたい。と」

「な、んで……?」

「なんでそうなるの!!!?」

「…………私はもうここにいる意味はないので。失礼するわ」

「は……」

「最後に、彼女は貴女にメッセージを残しました。」

「な、にそれ」

「『シュウちゃん、後悔のないように生きてね』」

「以上です。」

「……ちなみに儀式により生み出された場合、自死はできないのでそのおつもりで。では。」


その場には少女がただ一人、残された。

少女は今、ここにあるゲンジツを受け入れるしかなかった──




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