第七話 「偶然ナル繋ガリ①」
翌日も特に変わることもない日常を過ごしていた。
お昼休み、シュウカが携帯をみながら大声をあげる。
「えーーー!!!」
「うわ、びっくりした。」
「なぁにがあったの秋叶」
シュウカがオーバーリアクションするのは日常茶飯事でそれほど大袈裟にはならない。半分ほど呆れられてるくらいだ。
「ショック!ショックだよ~」
「だからなにがー?」
「アイドルの!『
シュウカは涙目になりながら訴える。
「へぇー、結構売れてきてた子だよね?」
「シュウちゃんファンだったっけ?」
「ファンってほどでもないけど!けど!よくテレビはみてるし!とても可愛くて、性格も良くって、オーラもバチバチ!みたいな!」
「まぁ好きだったんだ?」
「うん……」
「なにやらかしたの?」
ユウは茶化しながらシュウカに聞いた。
「やらかしてないよ~!もーユーちゃんてばー」
シュウカは膨れっ面になる。
「ごめんごめん、じゃあ体調とか?」
「それが、そこまで明確に書いてあるわけじゃないんだよね……」
とシュウカはニュース記事を二人に見せる。
【音無綺楽、無期限の活動休止!事務所発表によるとスクープ等での原因はではないという……。音無綺楽になにがあったのか!?音無綺楽の現在は───】
「うわぁ、書かれ方もすごいねぇ」
「そこそこ有名だもん!SNSでもトレンド一色だよ~」
「芸能人もそういうの、大変だよねー」
「そうだよねープライバシーがないというかさぁ……」
「あ、そうだ有名で思い出したわ。」
「ほぇ?どうしたのユーちゃん?」
「昨日、他校に呼び出されたじゃない?あたし」
「うん」
「そこで有名人というか、高校の部活関連だと知らない人はいない!って感じの人と会ったのよ」
「へぇーどの人?」
「えっとね、」
ユウは鞄からスポーツ雑誌を取り出した。見出しは将来有望高校生特集など書かれていた。
「これこれ、このソフトボール部の『
その一面記事にはボールを投げている少女の写真。少女というより美麗な少年に近いルックスで短髪、プロフィールによると175cmと背も高めだった。
「うわぁイケメン……」
「ほぇーほんとうに女の人~?」
「あはは、私も昨日会うまで実在するのか!とか思ってたな」
「でもすごいな~ユーちゃん、会っちゃったんでしょ~?」
「そうそう、それで、今日の放課後また呼び出しくらってるんだけど……もしよかったら二人もどう?行かない?」
「ほぇ?」
「えっいいの?私達ただの帰宅部だよ?」
「行ってみたらさ、結構見学とかいっぱいいたし、私の友達ならオッケーだって先輩も言ってたから!大丈夫!」
「え……じゃあ……興味あるなぁ」
「ツーちゃん、もしかして惚れちゃった?」
「えっ違う違う!ただ、こんなにカッコよくてしかも将来有望だなんてお目にかかりたいじゃん!くらいだよ」
「えー?ほんとうかな~?」
「本当だって!」
「あはは、じゃあ決定ね。お昼ももうすぐ終わるし、放課後よろしく」
「こちらこそ、ありがとう夕。」
「うん」
お昼休み時間も終わり、午後の授業が始まる鐘の音が鳴った。
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