第12話 第二関門・絶対音感区画



 つづいての第二関門。


 ここでは悪役令嬢さんと、お姫様達に頑張ってもらいましょう。


 この世界がどの世界か分からないけど、乙女ゲームの世界では悪役令嬢と和解するルートがあります。


 その時、悪役令嬢の得意分野が判明するんですよ。


 それが、絶対音感。


 聞いた音の高さを当ててしまう能力があるのです。


 今うろついている区画では、口笛大好きさん達が見回っています。


 三人ほどいるんですが、よく聞くとそれぞれ吹いている音程が違うんですよね。


 このシチュエーション。ゲームでは俯瞰で見てました。

 迷宮を上から眺めていたので、楽でしたよ。


 それに時間制限もありませんでしたし。


 ゆっくり口笛を聞きながら、見張りの数を見極めて、敵の行動を予測し主人公達を移動させていきました。


 でも、現実では俯瞰で見る事はできません。

 時間も限られてます。


 ですから、せめて見回りが三人いるという事を伝えておきたいのです。


 耳をちょんちょんタッチ。


 出番ですよ、悪役令嬢さん。


 悪役令嬢は、首を傾げつつも仲間と相談。


 頭の良い主人公達と考えた末、正解を導きだして、耳をすませます。

 ややあって、見回りの数を当ててました。


 そうそう、三人にだけ気を配っていればいいんです。


 この区画、音が反響する構造なのか、色々響いてます。


 彼女の力が無かったら、もっと多くの見回りがいると錯覚していたかもしれませんね。


 主人公達は時に見回りの目を盗み、時に先手必勝で瞬殺しながら進んでいきます。


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