第9話 進路妨害の人
「アルガスの奴、電光石火の電撃戦で最初のうちは奇襲に成功するはずといっていたのに、このザマは何だ一体」
アルガスとはシード隊長などのユニットを管轄する司令官である。アルガス司令によると当初の目的である東ヨーロッパは、電撃戦により西ヨーロッパから部隊を誘い、欧州と北米大陸を分断できると予想していたらしいが、目論見は上手くいかなかったようである。シード隊長は部下の士気にも影響するから、あまり声を大にして、騒ぐような真似はしなかった。
「はあ、全くやれやれですな。先が思いやられます。どのようにしましょう」
「どうするって、何がだよパルス、何かいい案があるのか?」
「隊長、人がいます。前方を塞いでいますがどのようにしましょう」
「何? 人がいるだと」
シード隊長やパースが前を見ると、ユニットの前方に人が数人、駆け寄ってきた。それらはユニットの進路を妨害すると、手を振っているのである。
「ひょっとして俺たちを歓迎しているのか、これは?」
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