第26話 再会
「今回は、えらいはやかったですね」
あ、これはあのときのあの女神だ。今回ははっきりと覚えてる。
「そりゃあそうでしょうとも。これだけ間を置かず来る人なんてそうはいないですからね。記憶もばっちり残ってますとも」
たしかに。たしかにすぐに死んでしまった。でも何だろう。まったく悔しくないっていうか。
「で、もう転生回数は上限に達したので、次回はなしですよ」
あ、そうだった。
「じゃ、どうなるんですか?天国に行けたりするんですか?」
はぁ、あんたばかぁという顔をして、女神が俺を見つめる。
「はぁ、あんたばかぁ?天国なんか行けるわけないじゃないですか」
「じゃ、地獄かな?」
「まさか。地獄なんてコスパの悪いとこ、数万年前に廃止になってますよ。次は再生ですよ、再生。もう一度いちから生きなおすの」
「え、ああ。再生、ね。生きなおすってことは」
「そう。赤ちゃんからやり直してください。で、どうします?」
「選べるんだ。じゃあ」
「いっときますけど、基本スペックは変わりませんから。つまり超超優秀ってこと」
嫌味ったらしく女神が言うと、微笑んだ。
「ただ、最初の生なので、ステータスの割り振りはできません。それを踏まえて、さ、今度こそ、幸せな人生を選んでくださいね」
ああ、言われなくとも。
「じゃあ、魔物で」
「はぁ、あんたばかぁ?」
女神は俺に顔を寄せると、ささやいた。
「ま、そうだと思いましたけどね」
そして…
やれやれ、俺は再生した。
軍師は魔界で息をする。とてものびやかに さらや @kenta-ta
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