第2話 ハハハハハ……はぁ……
笑いかけてきてくれる木森さんに、笑ってごまかしながら教室を出て、生田先生がいるであろう社会準備室に直行した。
「いくたー!!!!」
「あ?」
「あ、ごめんなさい……」
生田先生だけかと思って勢いよく扉を開けたら、ギャルギャルしい女生徒に睨まれた。
「おぉ、どうした小野田? てか、先生を呼び捨てにすんな」
「いえ、そのぉ……睨まれてるので、そっちを優先してもらって……」
後ろに行くにつれて声が小さくなってしまう。
「りんか、忙しいから早くしてほしいんだけど?」
「
「あ゛?」
「ちがいますちがいます」
「いや、お前だよ」
なにしてんの、すごい睨まれてんだけど!
「お前ら友達になれ」
「はぁ? なんでこんなやつと」
「美ヶ原、お前成績やばいぞ」
「……」
「高校生で留年って、冗談抜きで」
「アンタ名前は?」
「……小野田仁ですけど……」
「そ、ヒトシ、アンタ今から私の友達よ」
「え」
「なんか文句あんの?」
「ナイデス」
「そ」
「じゃ、もう戻っていいぞ。成績は留年しない程度にはしてやるからなー」
「ふんっ」
出ていった。
「ふっ」
「おいドヤ顔やめろ。どういうつもりだ」
「小野田、口悪くなってるぞ、どうした? 悩み事か?」
「おまえだぁぁっ!!!」
「ま、おちつけ。コーヒー飲むか?」
「飲みかけなんているか!」
「興奮するなって」
「いや何してんの? 木森さんにも何か言っただろ」
「おお、早速か。どうだった?」
「早速か、じゃねえわ! 先生に言われたから友達になりに来たって言われるとは思わなかったわ!」
「まじか。そんな直球でいったのか。流石にそれはかわいそうだな」
そこはわかってくれるのか。
「ちょっと後で呼び出して注意しとくわ」
「絶対やめろ! そうじゃないだろ!」
え、この先生普通に怖い。
頭の構造どうなってんの?
「というか、先生、俺のこと分かってくれたんじゃなかったんですか? 昨日、自分と重ね合わせて理解してくれたんじゃなかったんですか!?」
「小野田」
あろうことかサムズアップをされる。
「
「……」
開いた口が塞がらないとはこのことか。
まさか担任に対してそんなことを感じるとは夢にも思わなかった。
「ってことで、俺が何とかしてやるからな!」
「やり方! っていうか、先生は自分で何とかしたんじゃないんですか?」
「ん? 俺、そんなこと言ったか?」
「え?」
「結局、大学4年間で友人は一人もできなかったぞ」
「……」
え、なんでこんな人が頼りになるなんて思っちゃったの、俺?
節穴過ぎるでしょ……
「なんでアンタみたいなのが担任なんだ……」
「なんでって、高校って教師同士のつながりが一番薄そうだなーと」
「おわった……」
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