第19話 腹痛

「うん。やっぱり何度食べてもストロベリーは格別です~」


 買ってきたたソフトクリームを頬張りながら幸せな笑顔になっているのは、緑原みどりはら 咲耶さやだ。

 まぁ、今は俺の金を貪る悪魔なのだがな。


「ひとつ聞いていいかな?」


「いいですよ。恋人ですからね」


 強引に俺を恋人にしたんだろうが。


「どうして、学校の制服のままなのかな?」


「変ですか?」


「いや、変ってわけじゃないけど。少し気になっただけ……」


「うーん……まぁ、書記さんなら言ってもいいか」


「ん?」


「実はウチ、ファッションに興味がないんです」


「だから、私服も制服を?」


「そうですね。面倒なんでだいたい毎日制服で過ごしてますね」


「まぁ、確かに自分もファッションは苦手で、何を着るのがいいのか迷った挙げ句、普段着ている服に落ち着くんですよ」


「着なれているのが一番なんです」


「それがいいですね」


「それじゃあ、ウチはそろそろ帰りま……」


「どうかしました? お腹なんて抑えて?」


「書記さん……ひとつ、いいですか……?」


「どうしました?」


「書記さん~、お腹が、痛い、です」


「はいっ!?」

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