第14話 まさかの電話番号交換

 映画館の鑑賞を終えてカフェに入ること一時間が経過していた。

 相変わらず2人は楽しそうに会話している。

 俺は、全く会話に入れずにいますけどね。

 でも、今は一番幸せなのかもしれない。

 なぜなら、右の席に美人、左の席にも美人が俺を挟んで話しているのだから……。


「それで、書記くんは最近誰かと通話とかしてる?」


「いえ、通話はしてないですね」


 友人なんて呼べる人は、ほぼ居ないですからね。


「そうなんだ。なら、私と電話番号交換しない?」


「はいっ!?」


 驚き過ぎて危うく飲んだ珈琲を吹き出す所だった。


「あら、ならわたしもお願いしようかしら」


「はえ?」


 これは、夢か? 夢なのか?

 短時間に2人から電話番号を交換するなんて、ありない……。

 夢だろうが何だろうが、今は電話番号を交換するチャンスだ。

 手早く携帯を取り出し、2人と電話番号を交換する。


「よし、これで書記くんの電話番号手に入れたし、私はそろそろ帰るね」


 携帯の時間を確認した生徒会長が席を立ち上がり、その後に続いて副会長も立ち上がった。


「あっ、わたしも帰らないとダメだった。ごめんなさい書記くん」


「いえ、大丈夫ですよ。ついでに駅まで送って行きましょう」


「ありがとう。書記くん」


「その言葉に甘えさせて貰うね」


「は、はい!」


 駅まで見送る事も出きるし、何だか今日はとっても良い日になった。

 こんな日が毎日訪れれば良いのに……。

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