第12話 映画鑑賞開始

 映画を見る前には、当然ながら必要な物がある。

 それは、フードとジュースだ。


「それで、2人は何を飲みますか?」


 注文表を見ながら、両隣にいる2人に聞くと副会長は少し悩みながらもアイスティを、生徒会長は即答で炭酸を注文した。


「フードは、何になさいますか?」


 いろいろな食べ物がある中、これは皆の意見が一致した。


「ポップコーンを3つ。味は……」


「私は、キャラメル」


「わたしは、バター醤油」


「じゃあ、自分は塩でお願いします」


「ここの飲食代は、わたしが払おう」


「いやいや、ここは生徒会長である私が……」


 何だこのコントみたいな流れは……。

 でも、女性に払わせるわけにはいかない。


「いえ、ここは自分が払いますよ」


「でも、チケット代も君が出したじゃない?」


「大丈夫ですよ。それに、もうすぐ映画も始まりますし、ここは払わせてください」


「そこまで言うなら仕方ないですね。お願いするわ」


「はい。ありがとうございます副会長」


「……」


 会話に入りたくても入れず、何も言えなかった生徒会長に気が付くわけもなく、飲食の会計を済ませ、館内に入って行く。

 映画を見る席は、出入口側の端を選んだ。

 その理由としては、上映が終わった後、すぐに出れるからである。

 まぁ、なぜか分からないけど謎の生徒会長命令で、座る席が真ん中になってしまった。

 さて、席に座って落ち着いた所で、ようやく上映開始である。


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