第9話 生徒会長とデートの約束?

 生徒会長と仲直りが出来た俺は、数日間生徒会の仲間として男子生徒の告白を何度か阻止する事に成功していたのだが、なぜか放課後生徒会室に放送で呼び出されていた。

 男子生徒の視線が刺さる中、何とか生徒会室にたどり着く。


「失礼します。生徒会長に呼ばれて来ました……」


 扉を開けて生徒会室に入ると、相変わらず椅子に座っていた生徒会長が居た。


「良く来たね書記くん!」


 明るい笑顔を見せて何だか楽しそうに見える。


「呼ばれたので来るのは当然かと?」


「そうだったね。それで、用件なんだけど……」


「はい。用件とは?」


 なぜ、そんなに言いにくそうにしている?

 まさか、新しい書記を見つけてお払い箱とか!?


「えっと、今度の土曜日、私とどこかへ行かないか?」


「……へ?」


「実は、だね。昨日たまたま映画のチケットをくじ引きで当たってしまってね」


「良かったじゃないですか」


「それが良くないんだよ~! チケットは、まさかの二枚なの!」


 あ~、なるほど。

 つまり、友人の少ない生徒会長が後一枚どうすれば良いのか迷った挙げ句、ちょうど仲直りしたばかりの俺を誘って親睦を深めたい訳と。


「確かに土曜日は、特に予定はないですけど……」


「本当かい!」


 目を輝かせても偽の恋人役はしないぞ。

 いや、待て……生徒会長と2人きりって事は、どの道恋人みたいになるのでは?


「あー、でも、もしかしたら予定が入るかも……」


「そ、そうか……」


 止めて、今にも泣きそうになるのだけは止めて!


「いえ、大丈夫だと思いま……」


「あら、何の話をしているの?」


「副会長?」


 突然扉を開けて入ってきたのは、副会長の青山千夏だった。

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