第2話 生徒会長の告白
唖然とするしかなかった。
学校一の美人生徒会長が、手紙を差し出した本人だったとは、開いた口が塞がらない。
「どうしたの? まるであり得ない事が起こったような顔して?」
今まさにあり得ない事が起こっています。
「いや……自分は、ここで人と待ち合わせしてまして……」
見苦しい嘘だが、万が一の確率で生徒会長ではない可能性がある。
「わざわざ生徒会室で人と待ち合わせねぇ~。もしかして手紙を渡した誰かかしら?」
可能性が今、雪崩の如く崩れました。
「……えっと、それじゃあ、あの手紙を書いたのって……?」
「そう、何を隠そう私です」
そんなわざとらしく可愛らしいウィンクしなくても、十分に可愛いのですが。
「な、なぜ、自分を?」
「それは……好きだからに決まっているでしょ?」
今の少しの間は何だったんだ。
「……本当に?」
「も、もちろん……よ……」
何だ、さっきから視線を逸らしながら話しているのは、単に恥ずかしいからか?
いや待てよ、生徒会長が間を長く開けるのは嘘を付いていると同じ生徒会の会計の人が言っていた事があったな。
「会長、本当ですか?」
「ええ……本当…よ……」
「嘘なら帰りますよ?」
疑いの眼差しを生徒会長に向け、しばらく様子を見る。
「ええ。嘘だと思うのならどうぞ帰ってくれても構わないわ」
どこか自信のありそうに言う生徒会長は、どうやらさっき言った事を実行出来ないとでも思っているらしい。
「了解です。では、会長さようなら」
生徒会長から背中をあっさりと向けて生徒会室から出て行こうと歩き出した瞬間、いつもの生徒会長とは思えないほど慌てた彼女が扉の前に全力で立ちはだかる。
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