30話:緑綬褒章と両親が老人施設へ

 そして、佐野達夫が、叙勲・褒章特別展示場「記念品・及びお返し品選び」、お土産用のお菓子とお持ち帰りできる記念品の展示会場へ行って、いくつか選んで予約した。


 その後、ホテルから、佐野夫妻と両親、黒田夫妻の6人が、厚生労働省行きのバスのって緑綬褒章の授与式に出席した。佐野良介が佩用金具と着けて行き緑綬褒章をいただいた。


 その後、バスで、ホテルにもどって、勲章をつけた、佐野良介夫妻の記念写真を撮った。その後、黒田浩三さんの胸に、緑綬褒章を着けた写真をとってあげた。


 この光景を静かに見ていた佐野敦子さんと黒田弥生さんは、昔からの事を回想し涙を流していた。そして佐野良介と黒田浩三さんが、お互いに固い握手をし、よくぞ、ここまで来たねと抱き合った。


 その瞬間、佐野達夫も智子さんも涙が流れ、しばしの間、涙が止まらなくなった。しばらくして、落ち着いて、涙を拭いて佐野達夫が、本日は、本当におめでとうございましたと言った。


 それを見ていたホテルの人が、デジカメで全員の写真を撮りましょうと言い撮ってくれた。その後、社員用に購入した記念品を手にしてエスティマで、自宅へ帰った。


 翌11月8日、飯田商会へ行き社員たちに佐野達夫が、先日の緑綬褒章は、我が社の社会に対する福祉、貢献が、認められた賜物であり、今後も商売に専念して、利益を出して、その分け前を今後も社会貢献につかっていこうではないかと言った。


 これこそが、我が社、飯田商会が、この世の中に存在する意義であり、これからも横浜、日本、世界のために貢献していこうではないかと訓示した。これに対し、多くの拍手が巻き起こった。


 そして、古株の社員を中心に涙を流し、うれしさをかみしめた。翌日、佐野達夫と両親の4人は、地元の神社に、お礼参りで出かけた。その後、横浜中華街で、飯田商会の社員、総勢32人で小さな店を借り切った。


 そこで、叙勲感謝パーティーと忘年会を兼ねて盛大に行った。この式典に、横浜市社会福祉課の方々も招待すると来てくれた。やがて、2019年が明けた。


 4月2日、佐野良介が達夫を呼んで83歳になり老人施設に入ったらと告げた。両親は、海の見える所が良いと語った。その後、横須賀のソレイユの丘の近くで、相模湾が一望できる老人施設を探したと言われた。


 そして4月20日、佐野達夫が、奥さんの智子と、父、佐野良介と母、佐野敦子と4人で、父の気に入ったSホームという名の介護老人福祉施設へ出かけた。すると父の希望通り海が一望できる風光明媚な施設であった。


 早速、施設の担当者と話をすると現在、定員108名が、満員で空きがないので、お待ちいただくことになりますと言われ、両親は、同意した。佐野達夫も智子さんも異論がなく、良い場所ですねと言った。


 そして、要介護1なので費用は、安くなりますと言われた。両親も入居を希望し空き次第、連絡をもらい入所することにした。その後、ごゆっくりと施設を見学していってくださいと言われ40分、施設見学をした。


 一番気に入ったのが、相模湾も望む景色であったこれには、母の敦子さんも素敵と言い、気に入ってくれた。その後、ソレイユの丘のレストランで、昼食を食べて自宅に帰った。横浜横須賀道路の衣笠インターから近くで佐野の自宅から車で1時間。


 一方、日本での出来事では、平成の天皇陛下が4月30日に退位され、皇太子徳仁なるひと親王殿下が1日午前0時、第126代天皇に即位された。

皇位継承に伴い、元号が「令和・れいわ」に改まった。


 10月22日には即位を内外に宣言する「即位礼正殿せいでんの儀」が行われた。10月22日日に予定していたパレード「祝賀御列の儀」は、台風19号による被害に配慮し11月10日に延期して行われた。


 2019年「令和元年」7月18日昼前、京都アニメーション第1スタジオに当時41歳の男が侵入。バケツからガソリンを建い1階にまいてライターで着火し、爆燃現象が発生。


 結果としてスタジオは全焼、社員36人が死亡、33人が重軽傷と、日本で起きた事件としては、過去に例を見ない大惨事となった。国内外で人気を得ていたアニメ制作会社を標的とした大量殺人事件は、世界に衝撃を与えた。


 この事件に対し、日本を始め各国の政府の高官、各界の著名人から弔意が寄せられた。さらに国内外からの寄付金は30億円を超え、税制上の優遇制度を適用する特例措置が取られた。

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