12話:米国経済危機が日本に連鎖

 男性部屋3人と女性部屋3人で2部屋を借りた。その晩、お風呂を出てから20時頃から空を見にホテルの駐車場に出た。すると、満点の空に、多くの星の非からが素晴らしい景色で、思わず時間を忘れて1時間近く空を眺めた。


部屋に入り温かい飲み物を飲んで、今日の観光の話をして、22時には床についた。翌日早朝、6時に出発し川上村の奥深くの梓川をせき止めて作った梓湖を見学しに出かけ8時前に到着した。


 川上村は、とても山深い所で、散策を楽しんだ。その他の日は、国立天文台野辺山宇宙電波観測所を見学。松原湖から標高2300メートルの麦草峠へ行ったりした。また、白樺湖までドライブしたり、北八ヶ岳ロープウェイで山頂へも登った。奥蓼科の温泉に入ってきたりして、夏のバカンスの10日間を楽しんだ。


 そして8月23日、横浜に帰ってきた。その後、9,10月に、横浜中華街と元町へ行き、昼食を食べて、ウインドウショッピングで気に入った者が見つかれば買ってきたりした。


 11月中旬以降、山下公園のイチョウが黄色くなり、木枯らしが吹き始め12月を迎えて、2008年を迎えた。前年2007年8月9日、米国の信用力の低い個人向け住宅融資であるサブプライムローン関連の証券化商品の市場が、混乱。


 これをきっかけにフランスのパリに本拠を置く世界有数の金融グループの一つであるBNPパリバ傘下のミューチュアルファンドが投資家からの解約を凍結すると発表。


 これで、世界のマーケットが一時、パニックに陥った。実際、ショック後の市場では、サブプライムローン関連の買い手がつかなかった。また、解約に対応するための現金化が困難になった。


 それまで積極的に購入していた欧米の投資家が大きく動揺し信用不安が台頭。金融当局や市場関係者、金融機関などもサブプライム問題の深刻性をまだ十分に認識しておらず、いったんは鎮静化の兆しが見られた。


 しかしながら2008年3月の米大手証券のベアー・スターンズの経営危機が起こった。そのためサブプライム問題が再燃。2008年9月にリーマンショック「米投資銀行のリーマン・ブラザーズの経営破綻」が起こりった。


 その後、ついには世界的な金融危機へと発展。するとFRB「米連邦準備制度理事会」が、救済をし始めた。他と同じ様にリーマンも救済されると市場は想定した。


 しかし2008年9月15日、リーマンには引き金がひかれてしまった。救済は得られず資金繰りが破綻。バーナンキFRB議長は救済しなかった理由として、「投資家はリーマンの破綻の確率は高いと予想し、用意ができていた」と説明した。


 リーマン・ブラザーズが、破綻とわかると、米株価が暴落し、ダウ工業株30種平均は史上最大の下落幅777ドルを記録。10月に修正後の法案が成立したものの、株価は約4年ぶりに1万ドルを割り込んだ。


 危機は新興国にも波及。主要中央銀行による同時利下げ、金融機関への公的資金注入、市場への資金供給などが講じられた。金融サミットで、景気てこ入れ策が合意。


 しかし、世界経済は「大恐慌以来」の深刻なリセッション「景気後退」に陥るとみられた。さらに悪い事にガソリン価格高騰と金融危機が米産業界の象徴であるビッグスリーの経営を直撃。


 GM、フォード、クライスラーの3社首脳は米議会の公聴会に出席、政府支援を求めた。ビッグスリーの主な収益源のスポーツ用多目的車「SUV」、大型車は、ガソリン高で燃費の悪さが敬遠され販売が減少。


 金融危機に伴う信用収縮で自動車ローンが借り難くなり、景気後退が追い打ちを掛け3社の業績は急速に悪化。議会と政府はビッグスリーへのつなぎ融資法案について協議したが合意できず、廃案になった。


 こうして政界経済にとって悪夢の年が終わり2009年を迎えた。しかし、大恐慌以来の深刻な景気後退に見舞われた米国で2009年2月、過去最大となる7872億ドル「約70兆円」規模の景気対策法が成立。


 家計、企業向けの減税に加え、1200億ドルを投じてブロードバンド・インターネットなどのインフラ整備を推進。地球温暖化防止に向けて環境、エネルギー分野に重点投資する「緑のニューディール」の目玉事業も盛り込まれた。


 日本でも春闘では未曽有の危機を乗り切るためベースアップを見送るだけでなく電機大手のように定期昇給を凍結する動きも広がった。2008年秋に起きた世界規模の金融危機の直撃を受けた。


 2008年10ー12月期と09年1ー3月期の実質GDP「国内総生産」は前期に比べ年率換算でそれぞれ2けたの大幅減。2けた減は戦後最大の落ち込みを記録した第1次石油危機後の1974年1ー3月期「13.1%減」以来。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る