第17話 『鹿の魔族

 風圧に薙ぎ倒される周囲の惨状には目を瞑り魔族の方へ速度を落とさず急速に接近する。

 魔族って存在と魔人は似ているようで全く違う。

 魔人と呼ばれる種族は基本的に人間と同一視されることも多い、と言うのも魔人は人の頭部に動物のような角を生やした姿を型どっている。

 その特徴は角を使い人間よりも効率的に魔力が運用できるからスキルの遠距離にしろ近距離にしろ魔力による強化が低燃費で済み出力もかなり高い。

 逆に魔族は大本として魔獣を基本ベースにしら魔獣の進化形態みたいな所属である。

 内封する魔力量に応じ個体毎の力が異なる魔獣の中でも一定値を越え固有の魔力限界を越えた個体が魔族と呼ばれる。

 俺もダンジョン生活で一年は生きてきてるんだ、魔族の一匹くらい出現の現場を目撃すた事がある。

 そして魔族の特徴とゆうのが人や魔人、獣人に似通った姿を取っていることである。

 まあ姿が似るだけで言葉を介すのは邪神と呼ばれる魔族の上位種からで魔族は魔獣より多少は頭が働く程度の知能しか持ち合わせない。

 更に言うと魔族の段階では魔獣の特徴が色濃く残る、故に邪神と違い魔族の見分けは少し大変な程度である。

 さて、前に立つ魔族だが少し縮小されてるが大きな鹿の角に三メートル近くの巨体と濃い体毛を持つ魔族に変化して新しい個体だ。

 町を襲撃したり村を襲ったり、人の領域を侵すのは進化して間もない者が多いのだ。


「石城っ!!」


 俺がフルスロットルではないけど結構な速度で近付く延長線上、そこで言葉と共に地面が盛り上がり魔族の拳を防いでいた。

 数発の拳を受けボロボロになってる壁の前で急停止する、と予想通りとゆうか何と言うか地に手を埋め地面に魔力を流して地面をゴーレムにし操るチズがいた。


「レベルは幾つくらいだ?」

「う~ん、正確には分からないけど12~14位じゃない?」


 チズの横に移動し聞く俺にチズは小さな手で顎を押さえ少し悩むと自信ありげな顔で答えた。


「ふ~ん、じゃあ下級魔族で良いんだな」

「うん、まあ間違いが無いとも言えないから一応は気を付けれね」

「おう、大丈夫大丈夫。 特に問題はないから」


 言いながらチズを入れの後ろに下がらせ足に力を入れると一瞬の内に魔族の頭頂へ移動し脳天に蹴りを打ち放つ。

 その衝撃に足を地面へ埋め脳が揺れてるのかクラクラとフラつき始めた。


「次は何処が良いよデカブツ? って決まってるか、心臓だよな!」


 言いながら魔族の頭に手を乗せ掴んで力に任せて落下角度を魔族の右胸に調節し落ちた。

 時間が止まるようなスローモーションのなかで到達した魔族の胸を抉ると俺は穴を広げて・・・

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