第4話 『おじさん』
・・・これってヤッパリ失敗かな?
取り敢えず待ち時間も分からないしって事で1時間は周辺探索してから帰還したんだけど……
いや、別に野獣が鹿食ったとかじゃないよ?
まあ惜しいと言えば惜しいんだけど。
と言うのも、死体を放置したら当然と言えるような結末だけど……
虫が沸いた、蟻とかハエとか他にも分からない虫が数種類位かな。
もう全体的に膨大な数の虫が沸いちゃっている。
「さて、どうしようかな? ・・・まあせっかく待機したんだから放棄は無いんだが……」
そうなると方法が無いな。
どうしよう?
・・・まあ必要なのは毛皮と出来れば角ってだけだし強行手段で行けるかな?
たぶんって言うか間違いなく無視の目的って食糧、つまり肉だろうし。
「そうと決まれば剥いでいこう!」
言うと俺はまだ虫に侵食されてない部分を重点的に毛皮を引きちぎった。
そうして出来上がったのが目の前に積まれた毛皮の山……
それも当初の目的を忘れて適当にムシったから一つ一つが小さい。
うん、どうすれば良いんだコレ?
・・・いや、マジで。
「おいおい君~! 盗賊にでも剥かれたのかい!?」
俺が考えてたら、なんか背中に篭背負って中に薪みたいな物を入れてる中年くらいのダンディーおじ様が話しかけてきた。
右手に大きな斧を持ってるから木こりの人かな?
もしかすると例の村に住む住人かも知れないな。
それにしても盗賊に剥かれた?
そんな種族が居るのか、こんな場所に?
だって盗賊とか大きな町近くとかに居ると思ってたからさ?
就職先の無い人が盗賊になる印象だったし。
こんな田舎なら盗賊稼業も儲からないんじゃないかな?
・・・まあ良いか。
「いや、獣に襲われたんですよ。なんとか勝てたんですが服が破れてしまって、だったら裸で良いかと思って……」
「そりゃあ大変だったな~ よし! 俺の家に来なさい! 俺の古い服で良ければあげるからさ!」
状況から適当に考えた設定だったけど上手く嵌まったかな?
っと言うか今回の嘘上手くなかった?
まあそれよりも、おじさんの家か……
大丈夫かな?
まあ会話からすると服の問題は無さそうだし、この雰囲気なら良くすると飯の1つの貰えそうだな。
うん、理由は兎も角として教われた場合を想定しても大丈夫そうだよな……
中年の男に負けるほど弱くないと思うし。
「それにしても君は強いんだな~ まさかビッグドーを倒せるなんて言うとはな!」
「え~と、まあ危機一髪と言うかなんと言うか…… 運が良かったんですよね! あの鹿も相当な手傷を最初から負ってましたので!」
やっべ~
もしかして鹿は強い部類の生物だったのかな?
だとしたら不信がられてそうだな……
「あ、もしや戦闘系の職業さんか! 俺みたいな農民から見たら羨ましい限りだ!」
戦闘系の職業…?
いや、俺今は無職だぞ?
何の就活もしてないからな?
うん、訂正するべきかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます