第2話 『キリングタイム』

 さて、歩くのは決定事項で良いんだけど人の行動には優先順位が基礎として介在する。

 俺の行為も例に漏れず絶対的な要素3つを達成するために取り合えず知的生命体を探してみてる。

 20分歩いて見ると視認できなかっただけで全部草原とゆう訳じゃないらしく村を発見した。

 まあ、村と言っても村と草原の境界線が曖昧で分からないほどに何の区切りも無い村で、要するに小規模だった。

 正直言うと俺は少し迷っている。

 と言うのも俺は全裸で放り出されたのだ。

 うん、入って大丈夫かな?

 唯の変態野郎にしか見えないだろ?

 これが美女だったら頭悪い中年が泊めてくれそうだが……

 女装とかしても良いんだが衣装とかないし。

 ってか前提として男と寝る趣味はない。

 さて、だったらばよ……


「どうするかな~瀕死のふりして村の近辺で寝てみるか?」


 定番では無垢な幼女が家に運んでくれそうだし。

 それに俺の夢ならそれ位の理想は反映されそうだし。

 いや、うん。

 流石にダメだな。

 実行したらバレた場合が怖い。

 うん、ならどうする?


「そうだ! 着るものが無いなら作れば良いじゃん!」


 あ、勿論だけど裁縫セットとか持ってないよ?

 ってか仮に持ってても使えない。

 じゃあどうするのか、そりゃあ当然ながら野生動物の毛皮剥いで上から羽織る。

 なかなか変態だが無いよりはマシだろ、たぶん。


「っとなると大きな動物探さなきゃな……」


 流石に野うさぎの毛皮とか無理だし。

 切り剥ぎで形を作ろうにも糸は愚か針もないんだ。

 糸はまあ草の繊維でも無理じゃなさそうだけど草の繊維生で針とか強度が絶望的だ。


「まあ広い草原だし、ってか草と虫が有れば生物も要るだろ普通に」


 さてさて、居るにしても大型のは居るのかな~?















 うん、大きいのは見つけた。

 見付けたには見付けた、んだけど……


「流石に尋常じゃないな、流石は幻想って感じだ……」


 15分と少し歩いてみて小型の動物とかは腐るほど見付けた。

 そんで役立たずは放って歩いてると「ドスンッ」って音が聞こえて、まあ期待に胸を膨らませて向かった。

 そんな俺の目に飛び込んだのは、まあ異常に大きい鹿だった。

 鹿の生息地域とか知らないけどこんな草原にも居るんだな。

 ホントに草の背が俺の腰付近までは有るけど普通の木が疎らに有る草原地帯だからさ。


「まあ、あんなに巨大化した鹿は育つ環境じゃないだろ……」


 人の手も加わってそうに無いし。


「まあ良いか、絞め落として毛皮と護身に角を貰っときたい」


 俺は言うと草の中を匍匐前進で近付いた。

 うん、体力はある方だからな。

 そんな事を考えてる内に鹿の真横まで迫れた。

 大きいから視界も高くて情報量も多いから俺は認識されてない。

 うん、始めよう。

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