第15話 せいだく
カヨさんが行政関連の財団法人の理事をつとめていたころのことです。
ドンが「忌憚のないご意見をお聞かせください」と言うので、芸術施設の運営や予算について質問したところ、「失礼なことを言うんじゃない!」とつぜん机を叩いて怒鳴られました、行政の部課長クラスと財団の役員、計数十人が居並ぶ前で。
即座に辞任届を出し、ついでに行政関連の役職をすべて降板しました。
以降、ドンはカヨさんに会っても、会釈すらしてくれなくなりました。
先日、心療内科で当時の話をしたところ、
――あなたは清濁併せ呑まなくていいです、いままでも、これからも。
融通の利かないカヨさんをご承知の先生はそう言ってくださいました。
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