第16話 やっかい
昔の人が考えたキャッチコピー、すぐれていると思いませんか?
――なくて七癖。
カヨさんはいま、簡潔で韻を踏んだ諺の意味を噛みしめています。
大勢の集まりの場でなにか提案されると、真正面から真剣に受け留めてしまい、自分の中で話を進展させ、いつしか、ほかの人も同じ温度と思い込んでしまう。
結果、その場の座興で(サービス精神で)ちょっとした思いつきを述べたに過ぎない人をはじめ周囲を当惑させ、自ら先走らせた事態の収拾に苦しむことになる。
過半の人たちのように「あはは、それはいいねえ。ぜひやろうよ」と大いに盛り上がり、翌日はすっかり忘れている、ということができない、厄介な人なのです。
何ものにも動じない杉下右京さんのように、
――それがわたしのわるい癖。
と言って澄ましていられればいいのですが。
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