第2話 結ばれる

第一印象と全く違う!!!


これがLINEを始めた翔一の初めて感じた有紗への感情だった。


物悲しげな、そしてなにか闇を抱えてそうな感じ。

そんな風に思っていたがLINEをしてみると、明るく活発な女子といった印象だった。


有紗…実はパワハラを受けてて。それで病んじゃってご飯とかも食べれなくて、気分落ちてたんです。


翔一…そうやったんや。なんか食べれそうなものあるならどっか食べに行く?


彼女は上司からのパワハラを受けていたらしくそれで病んでいた。

色んな話題で会話をした、毎日欠かさず長文でLINE、普段LINEをあまり使わない翔一には初めての経験だった。


有紗…ありがとうございます。こうやって話てると楽しくて悩みなんかなくなりそうですよ笑


段々明るくなっていく彼女を見ていると惹かれていくのが分かった。


有紗…次はいつバイト来るんですか?早く会いたいです!


「可愛いわぁ」


翔一の頭にはそれしか無かった。

そして初デートの約束をした2人。


翔一の知っているパスタ屋へ行き2人でパスタを食べた。

彼女はかなり明るくはなったが、まだ食欲が戻らないらしく、彼女のパスタの半分の残りを食べた。

その後向かったカラオケ…


部屋はほぼ真っ暗、床にフラットなソファーがあるかなり広い部屋だった。

その日は2人とも夜勤明けだった為クタクタの状態だった。


「なんかゥチ眠たなってきたー」


ソファーに横になる有紗


「マジか!てかォレももう限界」


翔一も横になる。


「ちょ、でかいんやけん寄ってよー笑」


翔一は身長180cmの長身、足が有紗の足に当たってしまう。


「お前ちっちゃいんやけんもっと縮まっとけ笑」


2人でソファーの陣取りゲームの開始


じゃれ合っていたが最終的に有紗の横の一段下の床に添い寝の形になって戦いは幕を閉じた。

有紗の肩に手を起き翔一がたずねる。


「ねぇ」


眠たいのか目を擦りながらすぐに振り向く有紗。


「なぁに?」




ォレはこの時何故こう言ったのか全く記憶がない。



「ォレの事好き?」



少しの沈黙


「知らん!教えん!」


顔を伏せソファーにうずくまる有紗


「どっちから教えてよ」


「知らん!」


また沈黙



微妙な空気になってしまったな…


0時をまわったとこだった。

翔一は、帰り支度を始める。



その時だった。









「帰らん。好き。」





彼女なりの精一杯の不器用な答えだった。




そして、2人は付き合う事になった。


彼女は今まで彼氏はいらない。という女性で付き合った人も2人居たが、しつこかったからしょうがなくという理由で数週間付き合っただけとか、付き合った2人も全く会ってないし連絡も取らずだったらしく、キスも手を繋ぐのも体に触れられるのさえも初めてだったという。

そして、28歳と言う年齢で翔一の事が初恋だった。

今まで翔一意外に恋愛の感情を抱いたことがないと。


後に有紗は語った。



こうして2人は無事に結ばれた。



しかし、本当の物語はここから。


本当に辛く


本当に嬉しく



本当に大切な人を守る事がどんなに大変で、過酷な事か、翔一は思い知ることになるのだ。




見えない敵と戦いながら…

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