11回目 異世界転生した俺がネタビルド《バイオテックトナカイ》で無双する話
「突然ですがあなたは死んでしまいました。今から2つスキルを選んで別の世界でお仕事をしてもらいます」
「そうか」
「そうです」
そういうことになった。
スキルを選べと言われたものの膨大な量があってわからない。こういう時は自分の思考の赴くままに考えるべきだ。
俺は昔から生物学者になりたかった。
「なりたかったんですか」
「そうなんだよ」
ならばこれだろう、《バイオテック》。これならまず自分の指向からはずれはしまいし、手に確かな技術があるのは重宝されるはずだ。
「うん?なにこれ、リストがほとんど黒塗りになったんだけど」
「《バイオテック》と合わせてとれるスキルはほとんどないんですよ~。あるのは確かぁ~」
これか。《ラボ作成》と……《トナカイ》
「これは……」
どう考えても正解は《ラボ作成》だ。相性から行ってもこれ以外ありえないだろう。攻略サイトで見たら絶対相性表で最大点になっているに違いない。
「はやく選んで下さ~い」
俺は……俺は……
先行研究に曰く、人は選択肢に「正解」と「ネタ」を用意された場合、高い確率で「ネタ」をとるそうだ。つまり、なんというか、
「《トナカイ》をとってしまった……」
「とってしまいましたね」
もう引き返せない。スキル内容は事前にはチェックできないという〇ソ仕様だから、ぶっつけ本番でスキル性能は確認するしかない。俺は腹をくくって異世界に送られた……
結論から言えば、《トナカイ》は常時発動スキルだった。つまり俺がトナカイになっていた。
(手が!無い!)
この体でどうやって《バイオテック》を生かすのか。試験管も握れないしそもそも衛生的に研究ができるかも微妙……微妙か?無理では?
いや……《バイオテック》には無限の可能性がある!それを信じて俺は生物学者を志していた!そのアイディアを使えば例えば人間の指を再現した義肢を……
(作れない!作る腕がない!)
上手いこと人の言葉が鳴るような楽器を作れば会話が……
(作れない!指がない!)
(どうしよう……)
俺は途方に暮れた。すると
「キャー!」
遠くの方で女の子の悲鳴がして……
山賊が女の子を襲っている、どうしますか
→体当たりをする
トナカイの最大体長は220cm、最大体重は300kg。そんな生物がたいあたりをかましたらどうなるか。
山賊は刀を持っていて手ごわかったがなんとか蹴散らした。
(大丈夫か?)
「ありがとう鹿さん!」
(トナカイだ)
その女の子は領主の娘でたいそう俺を気に入り連れていき……
続かない
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