5回目 平和利用

「ジロウよォ……薬の平和利用って、どういう意味だと思うゥ……」

ジロウ(イルカ)は水槽から顔を出して俺に答える。

「Cu-Cu-Cu-」

「そうだよなあ……俺の使い方は誰も傷つけてねェ……。これは誰が見ても”平和”な”利用法”だと思うンだ……」

俺は頭をかきむしる……何故理解しないのだろう、俺のやり方は困っている人を救う……お医者様となンにも変わらないやり方だっていうのに……

先日だってそうだ。親が毎晩襲ってくるって悩んでた可哀想な女学生に、彼女が手を出せるレベルの値段じゃない筋力増強剤とバールを格安で譲ってやッた。おかげさまで親の支配から抜け出せた、とお礼の電話さえもらったというのに……

「ヤクショの奴らはヨ……俺がワルだっていうんだ……なあ、俺はどうしたらわかってもらえるんだろうなあ」

ジロウは優しい手つきで俺を撫でてくれた。そしてささやいてくれたんだ。

「Qe ! Qe!Qe!」

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