裸の王子、恥を知る

カンナヅキ(伊弉冉 夜月)

裸の王子、恥をかく

むかしむかし、あるところにとても傲慢で自己中すぎる王子がいました。


王子の父親、王様は王子を構成させようとしましたがどれもうまくは行かず、王子はどんどん傲慢の塊になりました。


さて、その王子は今どうしているか。


最近になると小遣いでは足りなくなったと言って国庫をこっそり使うようになり、さらに王様を困らせた。


国庫を厳重に鍵を何十個も取り付け、入ってきそうな穴を消し、部屋中を強化する。


が、今度は王子は城の備品を売りに出す。


おいおいと悲しむ王様に忠臣の宰相が助言をする。


宰相「王様、王子を平民に落としては?」


王様「一応息子だからできましぇん。すまんな。」


王様は息子が大好きなのでどうしても宰相の案に頷かなかった。


宰相「なら、王子を改心させるくらいの痴態をですね体験させるとかは?」


王様「それなら心は痛まないな。しかし、準備とかどのようなことをしたらいいのか?」


その数日間王様と宰相様は夜な夜な作戦を練る。


執務室を通ると宰相の不気味な笑い声が聞こえるそうだとか。


数日後、執務室から困るのをやめ、出てきた宰相はキラキラと目にクマをつけながら笑顔で、王様は隣で正気のない目で『うちの宰相怖い』とか言っていたそう。


さてさてそれでは作戦実行。


宰相の怖い案に王様が悲鳴を上げ、なんとかお願いして優しい案にした。


そして城に一つの服屋を呼び命じる。


『王子に合う服を作れ』


と。


服屋「こちらが我々が王子にお勧めしたい服でございます。」


服屋はカバンから服を取り出すかのような仕草をして王子の前に置くような仕草をした。


王子「これはなんだ。なにもないじゃないか。」


王子の前には服が一枚も見当たらない。


服屋「そんなはずはありませんよ。ここにあるではないですか」


服屋は布を触る仕草をしたりこの服の機能性を王子に話した。


王子「俺にはなにも見えない」


服屋「見えないのはおかしいです。これは馬鹿ではない限り服が見えますよ。はっ、まさか王子…!?」


王子「違う!!!俺は馬鹿なのではないぞ!もういい。その服を買おう。」


馬鹿だと暗に言われたような気がして王子は声を張り上げる。


服屋、掛かったと顔に微笑を浮かべる。


次の日、王子はメイドに服を渡された。


昨日買ったものだ。


やはり王子にはその服は見えないが彼の世話をするメイドには見えるらしい。


王子は自分が馬鹿だと言われているようでイライラしながらメイドには服が見えないことをごまかしながら着せてもらった。


メイド腹黒い笑みを浮かべる。


いざ着ても着たような感触がない。


服屋曰くとても軽く服を着ていないと思うくらい軽く薄く丈夫らしい。


王子は昨日の服を着て場内を歩く。


なぜか城の窓が閉められている。


風が吹いて王子にバレないように。


城の使用人がクスクス笑っていたり、ちょっと口を押さえていたりしていた。


王子は首を傾げた。


使用人達にはこう見えた。


『パンツ一丁で城を堂々と歩く露出変態傲慢馬鹿王子』


と。


そう、そもそも王子が見えないのは当たり前、昨日買った服は馬鹿には見えない服なんてそんなものではなく、そもそも元から服自体がなかった。


紹介してきた服屋も着せてきたメイドもただ空気を掴んでいただけ。


ジェスチャー!


つ・ま・り〜✌︎('ω'✌︎ )


王子は今パンツ以外はなにも着ていないのである!!!!!


王子は城を出て城下町を散歩する。


門番が王子の格好を見て吹いた。


王子はその様子に「不敬だぞ」と言って黙らせた。


王子は城下町でいつも通り平民を脅かして遊ぼうと考えた。


城下町を歩く。


平民は王子を見てクスクスと笑ったりしていた。


それが一人や数名だったら王子は嘲笑っていただろう。


しかし、今日は四方八方から笑い声がする。


子供が言った。


「あのお兄ちゃん裸ん坊だー。」


大声で。


その声でクスクスからゲラゲラと笑い声が変化した。


王子は顔を真っ赤にした。


その時王子の体に冷たい風が吹いた。


体に何かが当たり、腹あたりに葉っぱが擦れたような傷跡が。


王子は気付いた。


あの服はそもそも存在しなかった。


自分は今本当にパンツ以外なんにも着ていないのだと。


とたんに王子は自分の醜態に恥ずかしくなった。


城に急いで戻り、服を着た。


数日後城下町では裸の王子の話で盛り上がっていた。


王子は城に引きこもるようになった。


もちろん引きこもるので城の備品を盗み売ることはしなくなった。


お金をあまり使うことがなくなった。


城下町に降りて平民を虐める事をしなくなった。


王子からは傲慢さがなくなった。


今日も城の使用人は笑う。


『あぁ、王子よ、ザマァ見えろ。』


と。


今日も宰相は微笑む。


『あぁ〜、楽しっ。』


と。


今日も王様は青ざめる。


『うちの子(忠臣)、怖い』


と。


=終わり=











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ああああああああ!ごめんなさい。一回下書きに戻しちゃったミスったぁぁぁぁ。ペコリm(_ _)m



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裸の王子、恥を知る カンナヅキ(伊弉冉 夜月) @snowcherry610

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