第23話 薫子と僕は勝負する!♪③

 ~~お昼休み


 いつも、お昼ご飯は浩二と楓と一緒に食べる。

 学食だったり、中庭の例のベンチあたりだったり、いろいろだけど。

 浩二は、なぜか昼休みだけは、ハーレムを抜け出して、僕たちと一緒に過ごす。


 本当は、楓と一緒に居たいのだろうが、僕を側に置く事で、周りの目を気にせずに済むのだろう。

 そうだ、僕は防波堤、僕は壁、僕は置物、僕は・・・ちょっと、心が切なくなってきた。


 だから、浩二に、楓と二人で居たいだろう?と訊いたことがあるが、アイツは、「何言ってるの?勇気が居ない昼休みなんて、味噌の入っていない味噌汁と同じだよ」と言った。

 ぼくは、「はあ?」と思ったが、アイツなりに僕を思いやってくれているのだろうか?でも、結局は僕に壁になるようにと、やんわりと味噌汁を使って言っているのだろう。アイツ(浩二)、味噌汁を好きなんだね、やっぱ、楓とお似合いだわ(楓の得意料理は味噌汁・・すでに紹介済み)。


 そんな事をちょっと考えていた時、薫子がやって来た。

「落合君、ちょっといいかしら?」

「ヤだけど、なんだよ?」

「この前、言いそびれてしまったのですが、わたくしと勝負しませんか?」

「はい?」

「もし、わたくしに勝つことができれば、アナタのお仕事を激減させてあげます」

「どういう勝負なんだ?まずは、それを聞かせてくれ」

「ふふふ、簡単な事よ、明後日の実力テストで、どちらが校内順位が上かを競いましょう」

「なんだ、そんなことか、オッケーだ!」

「ふふふ、それでは約束しましたよ」

「ああ、じゃーな」



 浩二「お前、相手は学年一位で入学してきたって事、忘れてるだろ?」

 楓「忘れてるの?」

 僕「忘れてるの」

 浩二「なんか、策はあるのか?」

 楓「あるんでしょうね?」

 僕「あるんでしょうね?」

 浩二「終わったな!」

 楓「終わったわ!」

 僕「終わったわ!」


 実力テストは、実力で受けるだけだから、なーーんも勉強してないもん。

 と、僕は負けたときの言い訳を考えていた・・。


 はいっ!結果発表!

 勇気5位、薫子1位。


 勇気君の負け。


 勝負はあっけなく終わった・・・ハズだった。


「さすがは、薫子だな。だよ!そして、キミの1位に!!」

 僕は、負けた悔しさと恥ずかしさを、ダジャレで誤魔化そうとした。


「ふふふ、あなたにもう一度チャンスをあげるわ」

「えっ?いいのか?」

「次の体育祭で勝負よ!!」

「どうやって勝負する?」

「自分の所属チームの順位とか、100メートル走で何位だったとかで、総合的に判断して決めましょう」

「なるほど、それでOKだ!今度こそ勝つからな!」

「うふふふふふ、望むところですわ」


 楓「私もやりたーーい!!」

 薫子「・・・わたくしは、構いませんが・・」

 僕「勝手にしたら?」

 楓「わーーい、ねえ、浩二もやろ!」

 浩二「えっ?オレも?なんで?」

 楓「だって、たくさんでやった方が面白いでしょ?」

 僕「そうだ!お前もやれ!」

 僕は楓の意図(たぶん、浩二と楽しく競い合って良い思い出を作りたい)を察して援護射撃をした。

 結果、意味がわからないが、4人で競い合うこととなった。


 ※筆者:次は体育祭たいいくさい・・・別に、カラダ(体)がクサイ訳ではない!でも、臭くなったりはする、かな?・・・誰だ?タイクツ(退屈)さいではないって言ったの?うまいじゃないか!









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る