第21話 薫子と僕は勝負する!♪①

 赤メガネ1こと、有栖川薫子は、全員一致で委員長になった。

 ところが、副委員長に、僕がなった。


 なぜか?

 それは、浩二が、僕より先に、選挙前に絶対イヤダ宣言をしたためだ。

「オレに入れた女子とは、ぜってー付き合わねー」とか?

 僕は何を言ってるの?って唖然としてたら、いつの間にか投票が始まっていた。

 バカ、オレのバカ!


 薫子(もう、赤メガネって書くのめんどいから止める)の下で働けってか?!


 アイツ、ヒト使い、ぜってー最悪だろ!


 この前のオリエンテで僕を目のかたきにしてたけど、浩二にはまるで恋人の様に優しいっていう・・・あの落差ある扱いはヤバいでしょ。


 アイツ(薫子)、根性、悪すぎだろ!


 浩二を味方につけて、アイツに一言ひとことクギを刺してもらうか、別のモノを刺して・・・ごほん?

 あるいは、楓に、幼馴染のよしみで、一言、勇気をいじめるなと言ってもらう?

 賢者に、ゲームで負かしてもらう?

 西野に、アイツを大外刈りの餌食にしてもらう?


 浩二経由で、地味子にアイツの弱みを聞き出し、アイツを逆に子分にする?


 とか、いろいろ考えたが、オレは腐っても、オレだ!

 野球部のアタマをとるハズのオレが、こんなところでクヨクヨ、グチグチするのは、クズの浩二が許しても、オレが、楓が、西野が、賢者が許さねーー!


 というわけで、別に何をするでもなく、していると、薫子がやって来た!


 薫子「あなた、落合君よね?」

 僕「はい(お前、知ってるはずだぞ・・なんかムカつく)・・・アナタは、たしか、ナシ栖川さんでしたっけ?」

 薫子「!!・・わたくしは、有栖川と言います!」

 僕「ああ、アリなんですね?背がそこそこお高いのに、アリさんなんですね?引っ越しでもするんですか?(アリさん○ークの・・)」

 薫子「あの・・わたくし、委員長になったので、副委員長になられたアナタに挨拶に来ただけです」

 僕「えっ・・(ツッコまないで、スルーした!コイツ、わざとか?できるな!)、それはそれは、御丁寧にどうも、これからよろしくお願いします」

 薫子「こちらこそ、よろしくお願いします、では」


 う~~む、なんか、お嬢様って感じ、つーかやっぱ、コイツは悪役令嬢だわw


 ~~有栖川視点~~

 彼がうわさの落合勇気君ってのは知ってたわ。

 そして、彼の事は、スミ(淀川澄子)からも聞いてるし、お兄様からも聞いてるわ。

 スミもお兄様も、あまり良い様には言ってませんでしたね。

 でも、他人のいう事を全て鵜呑みにするのはダメだという事を、わたくしは幼い時から知ってるわ。


 だから、まずは、挨拶をと伺ったら、わたくしを小バカにしてきましたね。

 まあ、いつもの態度から、こんなだとは思っていましたが・・・。

 やはり、性格は、かなり捻じ曲がった方でしたのね・・・。

 最初会った時は、ステキな方だと思いましたのに・・・。


 ※筆者:実は、有栖川薫子と勇気は、中学時代に出会っている。たまたま、野球の試合とテニスの試合の場所が同じだったため、そして、たまたま、球をテニスコート近くを通った勇気が拾って、薫子に手渡したのだった。勇気は忘れているけど。


 わたくしに渡して頂いたボールは、幸運のボールというもので、このボールは幸運を運んでくると言われていて、お父様からプレゼントされ、試合の時は持ち歩いていたのに、なぜかあの時だけ、わたくしの手元から転がって、彼のモトへ・・・。


 てっきり、運命の人かと、あの時、思いましたわ。


 その彼が、同じクラスメートになるなんて、やはり、運命だと・・・でも、彼はわたくしを怒らせることばかりして・・・・。


 ちょっと、意地悪に、落合君よね?なんて言ってしまったわ。

 彼も、すかさず、ナシとか、アリとか言って、反撃してきましたね。


 彼を見ると、なぜ、心が平常ではいられないのかしら?

 それに、彼は、なぜ、わたくしに意地悪をするのでしょう?


 運命の神様って、皮肉屋さん、なのかしら?


 ※筆者:でました!悪役令嬢!でも、悪役令嬢は、実は・・・みたいな話が多い昨今、果たして、この薫子はどうなんでしょうか?ですが、これだけは予告します。彼女は、この物語のキーマンです・・・ウーマンか?しかし、なんか勝手に神が降臨して書いてしまった「幸運の球」・・・これがホントの、たまたま・・ってことで笑

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る