第20話 まじめに野球♪
「第さ~~ん、ファイッ、ファイッ、ファイッ~」
放課後、○○第三高校野球部の一年生部員たちは、まず、道具の準備、グランド整備をしてからの各学年アップからの、全部員運動場周回が始まった。
運動場にはテニスコートもあり、とくに女子テニ部員レギュラー組のお御足とヒップに目線をやりつつ、がんばって走った。レギュラー以外はジャージだからね、ね!
そういえば、楓も女子テニだったか・・・バレないよな・・たぶん。
~~勇気と楓の部活談義①
勇気「お前、ホントにテニス部に入るのか?」
楓「うん」
勇気「でも、テニスって、やったことないだろ?」
楓「うん」
勇気「自信あるのか?」
楓「うん」
勇気「そ、そうか?」
楓「うん」
勇気「ルールは知ってるのか?」
楓「うん?」
楓は知らなかった。
===З ===З ===З
そして、最近、アイツ(楓)は何かと干渉してくる。
この前も、アイドルのあの子がいいとか浩二が言うもんだから、つい、それは違うだろうと調子に乗って、「あの子はムネが残念だから
「山田君、座布団全部取り上げなさい。」とかぐらいの処分だろうと横目で見てたら、そこまで言うか~~って思ったもんだ。
なぜ、女子って、ちょっとしたことでヒステリックになるのだろう?
ムネでムネクソ(胸糞)悪くなるなんて・・・・。
まあ、アレだ、あの日は、女の子のアレの日だろうと、同情しつつ納得したのだが。
あれ?アイツの機嫌なんて、なんで気にしてんだ、オレ?
あれ?アイツ、ちょっと、こっち見てるぞ!
フン!
でも、そんなの関係ねーーー!!
と、拳を振るうオレだった!
~~勇気と楓の部活談義②(③はあるのか?)
楓「それでね、カオリン(有栖川薫子)と地味ちゃん(淀川澄子)もテニス部なんだぁ」
勇気「ほほぉ~~」
楓「カオリンなんてすごいんだよ!全中(全国中学生体育大会のソフトテニス)に行ったんだから!」
勇気「ほほぉ~~」
楓「でね、地味ちゃんも地味に県ベスト4だよ!」
勇気「ほほぉ~~」
楓「みんな、すごいよね!でさぁ、ユーって、部活中、こっちの方を時々見るよね?で、私と目が合うと
勇気「・・・ほほほほほほ・・・(器用だ!目が笑ってね~~)」
===З===З===З
「おつかれさま~~」
同級生の女子マネの
彼女は、よく気が付くし、楓と違って、奥ゆかしく優しくて、もちろん、可愛い。
さらに、いや、ここが一番重要な点だが、ムネがでかい!
あの地味子には劣るものの、それはステキなボリューム感があり、ジャージの上からでもイケるのだが、女子マネ専用のTシャツでは、その破壊力が、遺憾なく発揮される。
部員の、とくに、同じ一年生部員たちのアイドル的存在だ。
これはここだけの話だ、他にも女子マネは居るからね。
僕は、彼女からタオルを受け取り、汗をふく。
そして、「ありがとう」と言って彼女に返す。
まあ、いつものルーティーンだ。
彼女はそのとき、時々、頬を赤らめるが、汗臭い僕たちのタオルを持つのが恥ずかしいのだろう。「ごめんよ、いつも」と心で謝る。
~~~綾川視点~~~
兄は、落合君には近づくなというが、あの落合勇気よ!きゃー。
私は、兄のせいで、小さい頃から野球には詳しい。
家では、野球中継を毎日のように見せられ、日曜日とかには、兄の所属する野球チームの応援に行き、兄やお父さんの野球談議を聞かされて育った。
そんな私だから、周りの女の子とは興味の対象がちょっと違うので浮いた感じだった。
でも、小学校高学年頃からは、周りの女子達と合わせられるようになり、その年頃の女子なりの流行とか話題とかに、興味はないけど、知識は仕入れるようにした。
そんな時、兄の少年野球チームが対戦したのが落合君が投手を務めるチームだった。
彼は、当時からすごい選手で、兄たちから三振をたくさん取っていた。
私は、その試合を見て、とても興奮した。
そして、彼が私と同学年だと聞いて、なぜか、ムネがトキメイタのを覚えている。
それからは、彼の情報を集めたり、彼の試合をこっそり見に行ったりした。
自分でも、あの頃は、同年齢の女の子がTVのアイドルに夢中になるのと同じ感覚だったのではないかと思っている。
中学時代、私の中学の野球部が彼に15奪三振をし、話題となった。
私は、それを生で目撃し、小学校時代よりも衝撃を受けた。
だって、もっと、彼はカッコよくなって、もっと力強くなって、もっと・・・それに比べて私はどうなの?って思うようになった。
私は、彼と肩を並べるくらいの、ううん、彼に少しでも振り見いてもらえるくらいの、ううん、彼と・・・・・・。
私は、彼が良く勉強ができるのを、もちろん知っていた。
だから、私も、勉強をガンバって、もしかしたら同じ高校に通えるかもしれないと、夢のようなことを考え、一生懸命に努力した。
もちろん、彼に釣りあう女性になるためにも、女子力も磨いた。
彼がこの3高を受験することを知ってからは、さらに勉強をがんばった。
でも、私のチカラでは特進にはわずかに届かなくて、普通科に入った。
それでも、わたし、がんばったよ!って、内緒で撮った彼の写真に話しかけた。
その彼が、今、目の前にいる。ナマ勇気がいる。
そして、わたしのわたしたタオルを取って、汗を拭いている。
そして、そのタオルを私は受け取る。
ダメよ。
でも、ちょっとだけ・・・。
私は、彼のタオルだけは、手で持って、洗濯機のある洗い場に行く。そこはちょっと外からは見えない死角にあり、そこでタオルなどを洗うのだが、彼のは他と一緒には洗わない。もちろん、手洗いだ。
いいよね、そのくらいの役得は。
ああ、でも、ダメよ。
それ以上は・・・。
でも、ちょっとだけ・・・。
私は、彼のタオルを顔に押し当て、ムネ一杯に呼吸する。
ムネがドキドキする。
女子マネをしてよかった。
でも、これは、女子マネの先輩たちや同輩たちが自分の推しの子のタオルに対して、よくしていることだ。あのキレイな女子マネのチーフも、キャプテンのものを・・・。
私たち野球部の女子マネの伝統なんです、これは・・・・仕方ないですよね、勇気君♡
※筆者:ついに登場、清楚で可愛い系の女子。しかも、ムネがでかい。こっちの方が正ヒロインって感じです(小声)。ちょっと、綾川さん視点、長かったね、彼女、実はよくしゃべるのかな?そこは、楓と似ている?
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