第18話 賢者と愚者③♪

 放課後、勇気は賢者の知恵を借りて、楓と浩二に、相対するのだった!


 勇気「あのさ~~、オレ、野球に打ち込みたいんだ、で、もう一緒に登校できないんだ」

 楓「うそ?!」

 浩二「まあ、仕方がないんじゃない?野球、がんばれよ!」

 勇気「ああ、ありがとな!」

 勇気が、話は終わったと部活に行こうとしたら、楓に服を掴まれた。


 楓「朝練って、今日、もうしたんでしょ?」

 勇気「あ・・ああ」

 楓「野球部は、練習が厳しいのは知ってるわ、でも、朝は強制ではないでしょ?この前まで、朝練は、しても仕方がないとか言ってなかったっけ?それに、野球に打ち込みたいって?いつから、どんな理由で、そんな気持ちになったのよ??」

 楓の追求が厳しい・・・でも、勇気には賢者から授かった知恵があるはずだ、勇気、勇気を出せ!君の勇気は、楓への思いやりからきてるのだから・・・。


 勇気「それは、この前、監督が1、2年生は練習の態度や努力、向上心を主に見て、戦力として使えるかどうかを見ていくって言ったからさ。そして、それは、朝練の出席の有無が結構関係するらしいんだ」

(見よ、この切り替えしを!!by勇気)


 楓「態度、努力、向上心・・・それは誰でも持ってるモノじゃないの?それに、どうして、それと朝練が関係するのよ!!だって、自主トレは家でもできるじゃない?ランニングとかも家の周囲で出来るし、バットの素振りも、ボールを的に向かって投げることも、メンタルトレーニングや筋トレだって!!そういうことを全部、監督が見れる訳ないし、だから、ちゃんとした評価なんてできないワ!!私、監督に文句を言ってくるわ!!」

 勇気「はあ??なにを言ってるんだ!」

 勇気は、自分の迂闊うかつさを呪った。忘れていたのだ!楓とは、そもそも、クチで勝ったことがないということを!

 勇気、危うし! 危うし、勇気!!

 でも、キミには賢者から授かった知恵があるハズだ。勇気よ、勇気を出せ!その勇気は楓への思いやりからくるものなんだから・・・。


 勇気「いや、お前も知ってるだろ?運動部では監督やキャプテンの言う事は絶対なんだよ!」

 楓「えっ?なにを言ってるの?私も今までに部活をしたけど、キャプテンや監督のいう事を聞くってのは絶対じゃないよ、それに、監督が死ねって言ったら死ぬの??」


 悪手を打った・・・・でも、こんな小学生のような発言におくれを取るわけにはいかない・・・勇気よ、勇気を出せ!その勇気は・・以下略。



 勇気「わかったよ!3日に一回は一緒に登校ってことでどうだ?」


 勇気・・・・・・筆者は残念だ・・・勇気は堕ちた、もう、一緒に登校することにしているし、折衷案というか、妥協案というか、を申し出ている。


 楓「何を言ってるのよ!全然ダメ!」

 勇気「お前、オレが甲子園で投げれなくてもいいのかよ!!」

 楓「えっ?、甲子園で投げてくれるの?」

 勇気「(流れで甲子園と言う聖地がでたけど、流れを変えたぜ!しかも自分の力で!ホメて、賢者よ!)あ・・ああ、もちのろんだぜ!」

 楓「わ、わかったわ!じゃあ、2日に1回は一緒に登校よ!明日、迎えに行くから!じゃあね!!」

 楓は、満面の笑みを浮かべて、部活へ走って行った。


 勇気「・・えっ?・・」

 浩二「まあ、そういうことなんだろうな。オレは一緒に登校するのは止めとくよ。それじゃーな」

 勇気「浩二、ちょっと待て!」

 浩二「なに?」

 勇気「あのな、オレ、楓とちょっとスキンシップ多いかな?オレのこと、恨んでない?」

 浩二「うん?なにを言ってるんだ、勇気は?オレがなんでお前を憎む必要がある?そんなに嫌いなヤツだったら、一緒に居ないだろ?それに、楓とお前は、幼馴染だ。スキンシップは当たり前だろ!いや、もっと、スキンシップをとってもいいんだぞってか、とれ!」

 勇気「えっ?オレ、お前の事、クズイケメンだと思ってたけど、いいヤツなんかな?」

 浩二「あのなぁ~~、クズって、いつもそういう事を言うけど、オレにそんな口をきけるヤツって、お前だけだから(筆者㊟:楓もそう言ったりしてる)。オレは逆に、お前の裏表のない性格に救われたりしてるんだ。オレの周りのヤツって、なんか、本心はどう思ってるかわからん奴が多いしな」

 勇気「えっ?そうなの?お前の周りには3プチとか、いつもハーレムだろ!」

 浩二「それはそれだ。だが、アイツら、何を思って近づいてきてるかって本音のところはわかんねーぜ」

 勇気「そういうもんかな?」

 浩二「ああ、まあ、そういうことなんだろうな、それじゃーな」

 勇気「おお、またな」


 勇気は浩二のことをちょっと見直し、浩二は自分の過去をちょっとフラッシュバックさせたのだった。まだ、語ることはないが、彼(愚者)もいろいろあったのだ。


 そして、勇気と楓の対決は、勇気の敗北だったのか?あるいは痛み分け?

 そして、浩二とも相対したつもりが、逆に励まされるという謎の展開・・まあ、ナゾではないのだが笑。


 しかし、3日に1回を2日に1回に、さりげなく変更している楓は、良い商売人になりそうである。



 ~~~浩二(愚者)視点~~~


 うまいこと、づけられたぜ!うん?


 ~~それから一週間が経過


 なんだよ~~。

 こいつら、なにやってんだよ~~。

 いいかげん、楓もボディーアタック、止めろよ。

 ってか、ダジャレも、勇気との漫才も止めろよ!

 ※筆者:彼は登校時、陰に隠れて彼らを観察している。


 な~~~んも、変わらねーじゃん。

 アイツらの今までの日常が繰り返されるだけじゃねーか!


 ~~それからまた1週間が経つ


 わからん。アイツら、わからん。

 わかったのは、楓が機嫌がずっといいってことだけだ。

 う~~ん、これって、いい傾向なのかな?


 ただ、一緒に登校しないようになって、夫婦漫才を登校中にずっと聞かされることはなくなったので、ちょっと、こっちもリフレッシュできたな笑


 ※筆者:浩二は、お笑いとかダジャレが嫌いだった!!


 ~~~楓視点~~~

 これで勇気が私のことを好きって確信したわ。

 甲子園、絶対応援に行くから!


 そして、浩二が一緒に登校しないのがステキだわ。

 もう、邪魔しないでよね!ってか、消えろ!!

 

 ~それから一週間

 なに、このウキウキ感!!

 ユーは、朝練に一日おきに行ったりするから、一緒に登校するのが余計に新鮮!

 それに、お邪魔ムシは居ないし~笑

 朝から、たのすうぃ~~~~!

 会話が弾む~~。

 最近、ボディーアタックが恥ずかしくなってきたわ。

 お子ちゃまっぽいし。

 だって、歩いてる時、結構、くっついたりしてるもん。

 わざとだけど・・ふふふん♪

 もう、オトナの男と女の関係よん♪

 

 ~さらに一週間後

 最近、ボディーアタックなんて、子供がするようなことは止めたんだ~~。

 だって、ときどき、歩いてる時、ユーのホッペや耳を引っ張ったり、肩をくっつけたり、ム、ムネはまだだけど、ユーの制服の袖を持ったりしてるし(まだ手を握る事はできてない)。

 し・あ・わ・せ!!

 目に入る全てが総天然色って言うの?とにかく、キレイに輝いて見えるんだ~~。

 誰かが言ってたように世界って、こんなに輝いてるのね・・ふふふん♪。

 登校する時は、二人だけの世界・・もう、誰にも邪魔はさせないよ!!

 って、よく考えたら、浩二って、何よ?

 やっぱ、アイツ、いらなくない?

 アイツが居なくなったら、すべて、解決じゃね?

 やっぱ、マジ疫病神だわ!消えてなくなれ!!


 ※筆者:たしかに、浩二よ、オマエのすべてがムダだったわ笑

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