第13話 楓に御馳走を!おいしそう?♪③

 ~~ファミレスにて


 僕「チーズインハンバーグひとつ、濃厚ミートソーススパひとつ、トマトソーススパひとつ、ヒレカツ丼ひとつ、いろいろ野菜のミックスサラダひとつ、マルゲリータひとつ、山盛りポテトフライひとつ、そして、ひとつはAドリンクセットで、もう一つはBドリンクセットでお願いします」

 AとBの違いはライスがつくかつかないか・・・ということにしといてください。


 楓「よく食べるわね、勇気君は・・・あの、それと、チョコバナナサンデーひとつ、後でお願いします・・・勇気君はデザートは?」

 一瞬、片方の眉毛が上がったぜ!・・楓よ!


 僕「・・・いりません、楓さん」

 楓「そ?じゃあ、以上、お願いします」



 なぜに、君付け?オレ、流れで、楓さんって呼んだよ・・・楓さんなんて、オトナの恋人同士の会話か、ナニかか?

 っていうか、なんで、オレが良く食べることにしてるんだよ!

 それに、以上、お願いしますだと?お前の食欲が異常だろ!

 それに、ちゃっかりデザート注文してるし・・・よく食うくせに、コイツ、太らねーんだよな。


 楓「モグモグ、あのねーー、モグモグ、だから~~、モグモグ、そうなんだよね、モグモグ、でね、モグモグ・・・」

 聴きづらい・・・とっても、聴きづらい・・・でも、モグモグ止めろとは言いづらい・・・もぐもぐ。

 僕「へーー、そうなんだ、もぐもぐ」

 僕は、相槌を打つだけに徹する。

 これは、楓歴=物心ついてから今まで(途中下車あり)という中で得た経験値によるスキルだ。


 女子は総じておしゃべりであり、その話の腰を折られるのが嫌いである。それに、自分の話をちゃんと聞いてくれるヒトを信頼し、友達あるいは彼氏認定されるのである。そして、相槌、合いの手は必須である(※筆者㊟:勇気の主観ですので、女子にも個人差があります。が、結構、いいとこ、突いてない?)。


 さて、食事をあらかた食べ終え、後は、マルゲリータとポテトをつまみに、ドリンクを飲みつつ、話しの本題を提供する。


 僕「でだな!楓はどこのクラブに入る?オレは、まあ、野球部って決まってるけど」

 楓「バスケ、バレー、テニスの中から考えてるんだけど、どれがいいと思う?」

 楓は、女子の中では背が高い方であり、スラッとして、顔が、高校生になって可愛いから美人タイプに進化してきて、ついでにムネも進化してきて、ポニテが映える。そして、運動神経は良い。

 結構、男子にもモテるようだが、性格が明るく、誰にも気兼ねなくしゃべれるタイプなので、女子の友達も多い。

 僕はどちらかと言えば、お山の大将的な感じだから、誰にも遠慮をしないところがあり、好き嫌いが分かれるタイプだ。


 僕「どれでも、楓ならできると思うけど、テニスだけは個人競技もあるよね」

 楓「ああ、それね。テニスは、二度おいしいってことかな?」

 僕「うん?まあ、それもあるかもしんないけど、楓は背がスラッとしてるから、テニスウエアが似合いそうだね」

 楓「見たい?私のミニスカ?」

 僕「うん?まあ、見たいか見たくないかと言えば、見たいかもしれないし、見たくないと言えば見たくないかもだけど、見たいような感じがしないでもないかもだけどそんな感じがするかもしれない感じ?」

 楓「えっとーー、なぞなぞ?」

 僕は、ちょっと、どう返事をすればいいのか困ったので、適当な事を言って、話題を変えた。

 僕「それから、やっぱ、頑固一徹西野は、頑固にも、柔道部みたいだな。」

 楓「それは、鉄板ね・・オキョ―(利根川橋子)も、剣道部だし」

 僕「あいつら、やっぱ、付き合ってるの?」

 楓「えっ、知らないの?中学校時代からよ。うらやましいな~~」

 と言って、こっちを上目づかいで見る。

 うん?コイツ、いつもこうして、僕をからかうし・・。かわいいじゃねーか・・・。でも、コイツは、もう、浩二と付き合ってるからな・・・。ちょっと、胸の奥が・・寂しさと言うか、切ない気持ちに・・・ちょっと、涙腺が刺激されてきた・・あれ?


 僕「ちょっと、トイレに行ってくるよ」

 と、席を立った。


 ~~楓視点~~


 絶対、いっぱい食べてやるんだからねーーっと、張り切っては見たものの、ちょっと、恥ずかしくなったので、注文はちょっと遠慮してしまった。

 やっぱり、これが乙女心なのね・・・うふん。


 食べてると、いろんな事を話したくなり、夢中で話しながら食べた!

 想えば、二人だけでこうして食べながら話すのって、何年ぶりかな?

 昔は、よく、どちらかの家にお邪魔したりして、一緒に食べた時も良くあったよね。

 オキョ―達のことを話して、上目づかいで私の愛情をテレパシーで送ったら、ハニカンじゃってトイレに行っちゃった。かわいい、キュンとしたよ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る