第10話 オリエンテーションは効果がある?でも校歌はある♪⑧

 赤メガネ1が僕を呼んだ。


 僕「なんだよ、ホメてくれるのか?」

 赤1「バカじゃないの?」

 僕「バカ言うもんがバカです!」

 赤1「アンタの精神年齢は小学生なの?」

 僕「よく言われます(楓に)」

 赤1「最低!・・・まあ、それより、アナタ、さっきクチパクでしたよね!」

 僕「よく言われます」

 赤1「ハイ、有罪確定!」


 うん?前にも、なんか、こんなことがあったぞって、今朝、楓が浩二のシナリオを棒読みで言ってたぞ。ってことはだ、確定だな!


 赤1(めんどいので赤1で)は、すでに浩二の毒牙にかかってるのか・・・さっきもイチャイチャを見せられたしな!


 浩二、お前、何がしたい?オレを弄んで、何がしたい?


 ※筆者:勇気の偏った妄想は、とどまることを知らない・・コイツ、精神病?



 な~~んてね、オレを弄んで何がしたいってセリフ・・・リアルで言ってみたいぜ!!


 ※筆者:ああ、単なる中2病でしたね・・・ハハッ。



 しかし、赤1、お前、浩二とお似合いな感じだし、お前の浩二への恋心は尊重してやるよ!


 僕「で、有罪になったオレは、休憩していいか?」

 赤1「何をおっしゃってるの、アナタは?」

 おっしゃってる・・・こいつ、どこぞの悪役令嬢か?


 赤1「アナタに休憩はありません!・・アナタは罰として、一人で歌ってください!わたくしが指導しますから。」

 なぜか頬を赤らめる赤1・・・お前、権力を行使する自分に酔ってるな!


 はぁ~~と、ため息をつく・・・ハズがない!

 これは、チャンスだ!!

 目立つチャンスだ!

 あの小芝居が浩二と赤1のイチャイチャで記憶が薄れてきてるので、もうワンプッシュすべき時に、期せずして降って湧いたチャンスだ!!

 僕は決して歌が下手なわけではない。

 むしろ、上手い。

 合唱団に誘われたくらいだしな!

 ママさん合唱団に!


 で、僕は歌ったよ!歌ったよ、僕は!

 この僕の口から出るテノールを見よ、いや、聴け!


 ふふ、女子たちが全員こっちを見てる。



 と思った。

 背後に感じる激しい気配に振り向くと、そこには、エアーギターをしている浩二が居た。


 歌うことを中断できるはずもなく、いや、してもいいのだが、なぜか悔しいので浩二のエアーギターと共演した。

 ハズイ!

 上手く歌えなかった・・・当たり前だろ・・・なんで、コイツの飛び跳ねるエアーギターに合わせにゃならんのか?


 みんな、これもネタだと思って、いつも以上の生暖かい空気がクラスを満たした。


 アホ、浩二のアホ・・・オレのターンを邪魔して、結局、コイツがおいしいとこをもってくんじゃねーか!


 空気の読める赤1は、般若の顔から菩薩の顔になり、そして、顔を赤らめ、

「西山君に免じて許してあげます、以後、精進なさい!」だってさ。


 僕は「はひっ?」って、美声じゃなくて、変な声が出た。


 ※筆者:薫子は、相変わらず、東山を西山と言う・・・どういうことかな?

 そして、浩二、お前はギターをどこから調達した?

 そして、オリエンテーションは、みんなどこかで目立ちたいものだ。とくにこのお山の大将に憧れる勇気は、言わずもがなであった。

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