第8話 オリエンテーションは効果がある?でも校歌はある♪⑥

 午前中は、歌詞の解説、歌の全体練習、クラス別練習、その合い間に料理とか、なにかとやらされた。


 そして、午後はクラスで歌の自主練習。

 生徒が自発的に行動し、協調性やら自主性やらを育成するのだそうだ。

 まあ、練習を通じて一緒に仲良くなってねってことだ。

 この仲良くなるという言葉は、高校になると使いづらくなる。

 だって、女子と仲良くなるって・・・浩二を量産することになるし・・。

 いや、イケメンが多くなるわけではないか・・・ってことは、浩二の大好きなシチュエーションを行うということか・・・。

 すでに、地味子をゲットしてるアイツ・・・今度は誰を・・。


 まあ、アイツなんかどうでもいいけど・・・。


 赤メガネ1なんか、お勧めだけどね・・。

 他には、あのピアス付きのオネエ様とか?

 赤いメッシュを入れてる、赤毛のアンとか?

 あの金髪ギャル子とか?

 真面目そうな黒メガネとか?


 なんてこの学校は自由なのww

 まあ、それがここの校風だからなぁw

 わざわざ、遠くから、浩二のようにここを選ぶヤツがいるからね。

 でも、偏差値はこの地区で一番だけどね。


 さあ、歌の練習だ!

 で、なぜか、赤メガネ1(薫子)が指揮者、そして、指導者。


 薫子は、すでに担任から全幅の信頼を得ているようだ。


 特進トップの為せるわざか?

 それとも、コイツ、担任と知り合いか?

 いや、担任と付き合ってる?

 そんな妄想をしていると、僕のせいでダメだし。


「ダッセ―!何してるんだよ!」

 怒ってきたのは、自称柔道家の西野徹にしのとおる

 コイツ、ガタイがいい、眉毛濃い、怒った顔が似合う男。

 まあ、こんな濃い男っぽい男を好きになるヤツって、いねーよな。

 と、昔は思っていた。


「へいへい」

 僕は軽い返事を返し、適当な態度をとる。

 これには、頑固一徹、西野徹が黙っちゃいない。


「おいっ!有栖川(赤メガネ1)さんに失礼だぞ!ちゃんとやれよ!」


「へいへい」

 僕は相変わらず、とぼけた返事を返す。


「お前、野球では有名人かもしれんが、オレも柔道では有名だからな」

「そうよ!彼は、強いのよ、謝っときなさいよ。」

 この発言は、利根川橋子とねがわきょうこ。たぶん、西野を好きらしい。


 僕「はぁ?その言いぐさが気に入らん!有名ってなに?強いから謝れ?おかしいんじゃねーか!」

 西野「やるのか、こおらぁ~~~!」

 僕「上等だ!やってやる!!」

 僕らは、を始めた。


 自称柔道家の西野と取っ組み合い・・・そんな事、オレに死ねというようなモンでしょ。では、なぜ、今、互角に戦ってるのか?


 そんなもの、お芝居に決まってるじゃん!

 僕と西野は中学時代、とある出来事からマブダチになった。

 ついでに言うと、利根川も楓とマブダチであり、みんな中学時代の仲間だ。


 この西野との戦いは、お互いの痛み分けに終わり、お前、やるじゃねーかって握手抱擁にて終了する。そして、利根川の「男の友情ってステキ」というセリフで幕引き。


 僕たちの息の合った小芝居だ。

 楓は私の役がない、ないって、苦情を言ってるが無視だ。


 初見の人には、この小芝居がうまくハマるw


 僕も、これで、浩二より目立つかなw

 と、みんなの絶賛を浴びる中、赤メガネ1(薫子)が

「ハイ、みなさん、茶番は終わりですよ~~、面白かったですね~~、彼らに今一度、拍手~~」

 と棒読みし、僕をにらんでいた。

 赤メガネが怖い・・ww


 それから、とくに僕に対し、赤メガネ1は、ツラくあたるようになる。


 ※次回、地獄の歌練・・・お楽しみに!




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