前のエピソード――第３話　オリエンテーションは効果がある？でも校歌はある♪①

　ここ、〇〇第３高校のオリエンテーションでは、まず、校歌を学ぶ、というより歌わされる。ついでに国歌も歌う。

　それぞれの歌に対しては、歌詞の意味などの授業があり、それにかこつけて、高校生のあるべき姿だの、ウチの学校の目指すべき理想の高校生像が語られる。

　僕にはどうでも良いことだが、一部の生徒は熱心にメモを取りながら聴いていた。

　まったく、なに真剣になってるの？

　で、その真剣なヤツが二人ばかり居る。

　二人とも、赤メガネで、おかっぱ風のショートヘアーだ。

　僕は、赤メガネ１,２と心の中で呼ぶことにした。

だがしかし、この赤メガネには、武器があった。

　大きな武器だ！

　その武器の名前は、おＰい。ちょっとアレなんで、ムネと呼んでおこう。

　でだっ、赤メガネ１は、それが大人サイズのお茶椀・・・決しておとなしくはない・・。

　でだっ、赤メガネ２は、それがメロンサイズ・・・お、おいしそうです！

　でも、みんな、ダマされてはいけない！

　赤メガネだぞ！おかっぱだぞ！やばいだろ！

　赤メガネ１の方は、入学式で新入生代表挨拶をした有栖川薫子（ありすがわかおるこ）だ。なにかと、正義感がスゴイ。なぜか、僕はよく注意される。廊下を走るなとか、髪の毛（薫子の）触るなとか、消しゴムのカスを集めて丸めて女子（楓）に投げるなとか、授業中にうるさいとか・・・。スタイルは良いのだが、その性格とか、その髪型とか・・・無いワ～～。

　赤メガネ２の方は、淀川澄子（よどがわすみこ）。めっちゃ、地味子（じみこ）だ。何が地味って、ムネ以外全部だ。声は小さい。いつも隅のほうで本を読んでる。話し相手は赤メガネ１だけ。何を考えてるのか、ナゾだ。たぶん、自分の部屋で魔女のとんがり帽子をかぶり、タロット占いとか、占星術とか、悪魔の召喚とかをしてるのだろう。

　この子は、別名地味子に決定・・・心の中でね。

　さて、校歌についてだが、最初は全体練習で、次に各クラスで練習し、最後に校歌のクラス対抗歌合戦があり、終了となる。

　その間、昼食は家庭科室を順番に使い、オカズだけを自分たちで作る。お米のご飯は、学校側が用意している。

　味噌汁、肉じゃが、カレー、生姜焼き、シチュー、ポテサラなどのメニュー表から各班が選んで食材を発注する。

　そう、まずは、班を決めることからこのオリエンテーションは始まるのだ。

　　※筆者：勇気は、もちろん、ムネが大きい子が好み。そして、この赤メガネ１,２については、この後の主人公たちの運命を左右するキーパーソンとなる・・・たぶん。