第16話 賢者と愚者①♪
僕が朝練からクラスに行くと、楓が来た。
めんどうだ。
おはようと声を掛けられるが、「おう」としか言わない。
そして、なんか話してくるが、ちょっと、眠いからと机の上に突っ伏す。
休み時間になると、楓がうざいので、トイレとか、西野のところに行く。
楓と浩二は、何か話してたが、もう、こっちに来るな。
西野と話してたら、その隣りに居る、
コイツは、デキるヤツだ!
オレのボケツッコみに対応し、逆に、さらなるボケをダジャレで返すという離れ業をオレとの初見でしてみせた。
お前、なぜ、その鷹の爪を隠してたんだと言うと、落合のように目立ちたくないと言われた。目立ってナンボのオレとは、性格が真逆なのかなと、その時は思った。
この頃のオレは、「大人しく、目立たず、騒がず」って思っているヒトの気持ちがわからなかった。
とにかく、自由に振る舞うのが正しい学生生活だという、まったくの自由人だった。
※筆者:これは、たぶん、楓も同じ。
休み時間、やはり、しつこく楓がやって来る。
北野とゲームの話で盛り上がってると、楓が割り込んできた。
楓「そのゲーム、面白いの?」
北「うん」
なんだよ~~、うんで終わりかよ~~。コイツ、女子と免疫ないのかな?
楓「どんなゲーム?」
北「・・・あっ、そうだ、相川さん、このゲームの話なら、
楓「えっ、そうなの?凛ちゃん?どこ?」
北「おーい、凛!ちょっと!」
僕「あれ?お前たち、付き合ってるのか?」
北「えっ、いや・・・友達だよ・・・ゲーム仲間・・」
北野は、俯いて、顔を赤らめる。
なんだよ、バレバレだな。
でも、ナイスだ!!楓は凛と仲良く話している。
凛は、賢者同様、小柄だ。くるくるとした目をしており、可愛らしい、ショートボブがとても似合っている。
これで、楓問題の一時しのぎをした、ように思った。
~~楓視点~~
えっ??なんで??
嫌だよ!
せっっかく、ユーと一緒に登校して、ラブラブになって、あんなことやこんなことをしたいって思ってたのに!!
だって、まだ、ちゃんとしたデートもしてないし、手を握ってもいないし、あ~~んもしてないし、キスだってまだだし・・・・。
それに、休憩時間に、ユーとなかなか話せないよ。
なんか、初めての朝練で、疲れてるみたいだし。
それにしても、あのアホ、何やってんのよ!
アイツの計画、ムダだったじゃん!
アイツが勇気と恋人になるイイ計画があるって言うから、わざわざ、至福のお昼休みを犠牲にして時間をとったってのに~。いつものように〇インとかで済ませなさいよ~!
結局、もう実行できない、クソみたいな計画になったわ。
でも、ちょっと、これはイケるかもと夢を見てしまったわ。
だって、うまくすれば、ユーと初キス(小さい頃にしたキスはカウントしないby楓)だったのよね~~。
初キスの言葉に釣られた、わたしのバカバカバカ!
浩二、やっぱ、アイツは疫病神だわ。消えてなくなればいいのに・・。
~~浩二(愚者)視点~~
勇気が朝練だと?
昨日話し合った計画が台無しだ。
オレの休憩時間は、オリエンテーションが終わってからは、女子たちに囲まれる事で始まる。ぐふふふふふふ。
とくに、ピアスと赤メッシュと金髪は、オレにべったりだ。
彼女たちのダチのような子分も、何人か来るので、オレ以外はみんな女子と言うハーレムが出来上がっている。
帰りには、カラオケやらファミレスやらカフェやらに連れて行かれるが、まだ、ホテルには行ってない。
だいたい、ピアス、赤メッシュ、金髪の3人(書くのがメンドイので3プチ美少女=3プチと略すことにする)は高校デビューというヤツだ、なんせ、このクラスは特進だからな。
つまり、中学時代は、真面目なヤツとか、ヲタクなヤツとか、ボッチなヤツとかだったり、逆に有栖川のようにクラス委員をよくしてるヤツとか、そんなヤツが多い。
あの勇気や楓は、ちょっと毛色が違うけど・・・。
だから、3プチたちも、ほとんどが面倒くさい処女だろうな。
でも、女子たちに囲まれて、いい匂いを嗅げるから、これはこれでOKだよな、ぐへへへへ。
しかし、オリエンテーションで同じ班になった淀川(地味子)、アイツ、なんでこっちに来ない?
まあ、いい。アイツは、照れているんだろう。
今度、こっそり、二人になって、アイツのメロンパイを味わいたい、ぐへへへへ。
さて、楓と勇気だが、アイツらをくっつけるために、オレは少し慌て過ぎたな。
一緒に登校しないのなら、オレは、ここで距離を置く事としよう!
そして、ちょっと、ソトからアイツらを観察することにしようか。
だいたい、懐に入りすぎたよな。
二人が、もっともっと親密になっていくのを見守るとするよ、ぐへへへへ。
※筆者:賢者登場!ついでに愚者もwさて、愚者の浩二は、メロンパイを楽しむことができるのか?ふふふふふ・・・・w
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。