第15話 朝練♪ 

 お昼休み、楓と浩二が二人で秘かにお昼ご飯を食べてたのを目撃した僕は、その日の夜に、明日は二人と一緒に登校できないと、〇インで連絡をする。


 理由は、野球部の朝の自主練のためということにした。

 でも、実際、朝の自主練っていうのは、ホントのことである。

 別に、今まで行くつもりがなかっただけのことで。

 この時期の1年は朝練に出ても、大抵は、先輩にアゴで使われるだけだからだ。


 しかし、あんなことがあったので、これからは朝練に顔を出すことにした。

 まあ、それが、僕の評価を上げることとなるのではあるが・・。



 さて、野球部の朝練に顔を出す勇気。


 綾川先輩「ほぉーー、やって来たか、いや、やっと来たか、後輩!」

 僕「ども、優等生の落合です!」

 綾川「ほぉーー、面白いな、お前!」

 僕「いえ、それほどでも、あります。」


 綾川「たしか、中坊の時、結構ピッチャーで鳴らしてたらしいってことだけど、高校野球をナメルなよ!!」

 僕「ナメませんよ、そんなもの、おいしくないでしょ!」

 なに?いきなり、ナメルナヨ?この人、アタマ、オカシイひと?

 ちょっと、カチンと、オレの頭のどこがで聞こえた気がした。


 綾川「なかなか言うじゃねーか、あん?」

 僕「では、先輩、僕と勝負しませんか?」

 綾川「おっ!いいね~~、こういうトガッタやつが入って来るとワクワクするぜ!」


 綾川先輩って、後輩イジメが好きなのかな?それとも、ヤクザ映画か青春映画のファンなのかな?

 と、僕はテンプレぎみに話しかけてくる先輩を頼もしく思うのだった。



 ~~綾川先輩視点~~

 こいつがあの落合か!

 15連続脱三振という、オレの後輩たちの屈辱の記録は、今では、コイツの金字塔だ。


 時期キャプテンである先輩のオレが、その汚名を晴らしてやるよ。


 それに、今年から、最愛の妹が女子マネになるからな。

 コイツ、ぜってー、手を出すに違いねーー!!


 なんせ、中学時代はモテモテだって、こいつのダチが言ってたのを聞いたからな。


 このハーレム野郎の魔の手から、ぜってー、妹を救ってみせるからな~~~(もはや、彼の脳内では、妹が勇気の魔の手にかかっているというイメージが出来上がっている、重度のシスコン?)。


 さあ、時期キャプテン候補の綾川先輩と、いきなりのバトルが勃発。

 問答無用の綾川先輩に、あくまでも飄々と構える勇気。

 さて、勝負の行方は??



 はい、ど真ん中ストレートの真っ向勝負で、って感じで勇気の完全勝利でした・・・誰?つまらねーってつぶやいたの?


 とくに詳細はりません、はい。


 綾川「なかなかやるじゃねーか!!準備運動しなかったオレだから、うまいこと三振を取れただけだからな。一年坊主に花を持たせてやるのは、オレの優しさだからな。このまま通用するなんて思わないことだぞ!精進しろよ!」

 勇気「あざーした!」(綾川先輩はクチだけっと・・メモメモ・・それによくしゃべるっと)


 こんな感じで、楽しく、野球部を謳歌する勇気だった。

 

 ところでキャッチャーを務めたのは遠藤信一えんどうしんいち、リードはしなくていいから真ん中に構えていろ、と言われたことに、コイツもカチンときていた。

 彼は小学校時代から勇気のキャッチャーをしていた、恋女房というヤツだ。


 ~~遠藤視点~~

 勇気、お前はいつもそうだ!

 お前は変わらん。オレをいつも、自分の子分か召使いのように扱う。

 リードもお前の言う通りにするだけなら、ロボットでいいだろ!

 オレにも、プライドってのがある。

 いつもいつも、オレを下に見て・・・。


 今回は、綾川さんだから、それでも良かったが、今後は、絶対、オレのリードが必要になる。


 オレは、お前より、リードの面でも優秀だ!

 何年キャッチャーをしてると思ってるんだ!

 小学校のころから、TVの野球中継を見たり、野球漫画を読み込んだりして、配球について、多くのことを学んだ。中継が生で見れなければ、ママに録画を頼んだりして、努力した。

 この努力は、顔の造りでは負けても、誰にも負けないと自慢できるものだ。


 キャッチングも練習した。

 教習ビデオを見たり、僕の映像をママに映してもらったりして、努力に努力を重ねた。

 お前が、楓たちとチャラチャラしてるのを横目に見ながらな!


 お前なんか、才能だけで、今までやって来たくせに。

 努力の文字を知らんだろ!

 勉強もそうさ、お前は勉強をしなくてもテストで満点近くをいつもとってた。

 女もそうだ、何をしなくても、女子が寄ってくる。

 とくに、楓とのイチャツキ具合が、気に障って、仕方がなかったわ!

 

 親友のフリをして、愛想笑いを浮かべるのも、もう終わりだ!

 高校生になったこれからは、自分らしく生きる。

 そして、僕の応援をしてくれるママのためにも、負けられない!

 お前をおとしめて、屈辱を味あわせて、お前の屍に唾を吐いて、お前を越えていくぞ!

 ちなみに、お前のいない間に、お前が中学時代にハーレムを作り、女をボロ雑巾のように使い捨てていたとか、ないこと、ないことをみんなに言い回ってやった。まずは、挨拶代わりだ!クククククククク・・・・・・。


 ※筆者:信一は、終始、暗いキャラで終わるのか、そうでないのか?まだ、僕も知らないwコイツ、楓が好きだったんだね、流れで、つい、勝手に筆が滑ったw

 しかし、コイツ、高校生にもなって、ママって・・・まあ、最近の高校生には、あることなのかな?・・・・・これが言いたかったw

 ところで、綾川先輩、仮にも自称次期キャプテンなのに、遠藤からも雑魚ざこ扱い?w




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