第2話 楓と浩二のそれぞれの思惑♪

 ~~楓視点~~


「ど~~ん!!」

「うわっ!!・・・なんだよ~~・・・」


 私は、勇気への朝の挨拶は、ボディータッチならぬボディーアタックをかますことにしている。

 なぜって、「なんだよ~~」って照れる彼が、かわいいからだ。それに、小学生の頃のノリでしか、今の私には彼への接し方がわからなかったからだっていう、テレ隠しの意味もあったりする。


 彼とは、小学校からずっと一緒に登校していたのだが、中学校からは疎遠になった。

 なぜって、中学生の学生服を着た勇気を見て、異性としての彼を意識してしまったからだ。


 どちらかというと男勝りだった私は、男女の区別なく、フランクに接する、ちょっと自由なヒトだったのだが、中学生のかわいいセーラー服は、嫌でも女の子を意識させてしまう。


 最初の中学校への登校時、お互いにおはようと声を掛けてからの赤面には、正直、マイってしまった。学校まで何をしゃべったか覚えてないが、校門をくぐった後のクラブの勧誘で、「二人は付き合ってるのか?」とか、「朝から誰かのせいでアツいわ~~」とか、やたら言われたため、一緒に登校するのは止めようということになった。とっても、遺憾だ!


 そして、クラスはというと、勇気とは同じになれなかった。しかも、中学3年間ずっとだ!とっても、遺憾だ!!


 私は、勉強した。猛勉強だ!

 勇気は、小学校の頃から賢くて、中学生になってもクラスでいつも1位か2位。学年でも5番目以内の成績だ。

 対して私はと言えば、学年で50番くらいがいいところ。

 これでは、同じ高校に進めない。

 なので、中学3年間、がんばりました!


 そしてそして、めでたく同じ高校に進学し、同じ特進クラスのため、同じクラスになりましたのことよ、ウホッホッホ~ホ~~。

 さらに~~、ママに頼んで、一緒に登校出来たりして、私の高校ライフは充実したものになる・・・・はずでしたーーー・・・・。アイツさえいなければ・・・・。



 ~~浩二視点~~


 中学時代、いろいろとあって(とくに異性関係)、誰も僕を知らないところで高校生活を一から始めようと、この高校に来た。

 まあ、僕は頭がいいので、ちょっと遠いがこの高校の特進に行きたいとか、適当な口実で先生や親を説得したのだ。頭がいいと、いろいろと調子よく事が運ぶわ。


 僕は、ルックスもいいし運動能力も優秀だ。天才だからな。

 だから、中学時代、女子をとっかえひっかえ、かわいがってあげたのだが、アレはちょっと調子に乗りすぎた。なんとか、内緒で解決できたが、あれ以来、いつもゴムを忍ばせている。まあ、天才の僕にしては、若気の到りってやつだな。

 盛るにしても、高校からは、標的を絞って、おいしく料理したいと思ってる。


 そこでだ!そんな僕に、おいしい標的が自ら転がってきた。


 オレの親友ポジの勇気だっけ?ハハッ(笑)。

 お前の幼馴染は、オレのもんだ。

 まあ、まだ、お前たちの関係が進展してないので、仲が深まるところを待って、オレが奪ってやるよ。いわゆる寝とられってヤツ?

 中学時代もやったけど、最高だな、アレは!ハハッ(笑)。

 じっくりとワナを仕掛けて、ハメてやるぜ!

 時間はたっぷりある。

 ゆっくりとチャンスを待っててやるから楽しく踊れよ。ハハッ(笑)。

 それまでは、他のメスたちをつまみ食いしてやるよ、グフフフフ。













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る