クラスメイトに無能とバカにされ、切り捨てられた俺は秘密のレアスキル持ちでした〜心から守りたい者が増えるたびに強くなるので、真の仲間と共に魔王を倒す。助けてくれと言われても「もう遅い」〜
Sub-Quest 3 ボクっ娘巨乳、下から見るか? 横から見るか?
Sub-Quest 3 ボクっ娘巨乳、下から見るか? 横から見るか?
あの一件以来、ボクたちの注目度はグンと上がった。
ギルド職員は事実をすべて把握しているし、冒険者たちも察している部分もあるのだろう。
人の口に戸は立てられないからね。
ちなみに、これは彼が教えてくれた彼の世界のコトワザらしい。
いいね。また一つボクは彼を知れた。
好きな人のことはなんでも知りたいと思うのは当然の欲求だ。
話は戻すけど、注目を浴びるのは気持ちのいいことばかりじゃない。
羨望のまなざしもあれば嫉妬やの視線も感じる。
特にリーダーくんのパーティーはボク含め美少女揃いだからね。
男からのやっかみはすごいはずさ。
そのせいでどうやら最近イライラしている節がある。
つまり、ボクの出番ってわけだ。なんてったってヒールスライム。
肉体にしろ精神にしろ、回復に関してはピカイチだと自負している。
子供っぽいリーダーくんには困ったものだが、そこもまた可愛らしくていい。
「さぁ、ボクに悩みを打ち明けてみなよ」
「キリカ。お前、俺に引っ付きすぎだ」
「…………」
「さすがにトイレにまでついてこようとするのはやめてくれないか?」
「もう相談窓口は受付終了だよ。帰った帰った」
「前言撤回が早すぎる!?」
ふむ。どうやら彼の悩みの種はボクにあったみたいだ。
しかし、それはおかしな話だね。
男は女の子にかまってもらえるとだいたい嬉しくなるって聞いた記憶がある。
自慢じゃないけど今のボクの姿は多くの異性を魅了させてきた。
『死神』呼ばわりされるボクをパーティーに加えたがる人間なんて物好きしかいない。
つまり、導き出される結論はこうだ。
「リーダーくん。君はわがままな男だね……」
「あれ? なんで俺が悪いみたいになってるんだ?」
「わかった、わかった。次からは気を付けるよ」
「釈然としない……。まぁ、わかってくれたならいいんだ」
「女子は男子トイレに入れないものね」
「違う、そうじゃない」
「次からは男になってからついていくよ」
「そうじゃねぇ! ……って、なれるの!?」
「姿形だけならね。性別は変えれないけど」
一度スライム形態に戻ってから、イメージ通りの人物に変形する。
そう、ボクの理想形……リーダーくんそのものに。
「どうだい? 見事なものだろう?」
「すごい。すごいんだけど戻ってくれ。何が悲しくて自分の女装姿を見なくちゃならないんだ」
「だけど、この辺りはまだボクも正確に把握していなくてね。できれば見せてもらいたいんだが……」
「やめろ! 俺の姿でスカートめくるのやめろ!!」
わりと本気のトーンで止められたので元のボクの姿に戻る。
だけど、これで彼にも理解してもらえたと思う。
「ボクは完璧に君を模倣したくてトイレまでついていこうといていたわけさ」
「なに正当な理由みたいに語ってんだ。どっちにしろ許さねえよ」
「リーダーくんのケチ」
ちぇっ。どさくさに紛れて許可をもらおうと思ったけど、彼にはまだ理性が残っていたみたいだ。
こうなったら仕方がない。
とっておきを使うしかないな。
「ときにリーダーくん。前から気になっていたんだけど」
「変な質問したら怒るからな」
「君は巨乳と貧乳、どっちが好きなんだ?」
「巨乳だ」
「君の無駄に男らしいところ、ボクは好きだよ」
そうかそうか。それなら……。
今まで見てきた人間の中で最も美しく、大きかった胸を思い返す。
該当する巨乳の持ち主は案外身近にいた。
ボクたちを担当する
「キ、キリカ? お前、それ……」
「君好みにしたんだけど、どうかな?」
前までは庇護欲を誘うために小柄にしていたけど、もうその必要はない。
もうボクの面倒を見てくれる人は見つかったから。
「遠慮せずに存分に楽しんでいいよ」
「くっ!? 俺はもう負けないと決めたんだ……巨乳には負けないって……!」
「ほらほら。下からでも、横からでも好きにしていいんだよ~」
腕を組んで持ち上げてみせると、彼はわかりやすいくらいに反応する。
口では否定しても目が本心を語っている。
「ユウナたちが買い物に行った今がチャンスだ。ボクは触られるくらい何とも思わない」
「いや、それでも俺は……!」
「お望みなら呼び方だって変えようか? アナタ? マナト? それとも……ご主人様とか?」
「ご主人様って呼んでほしい」
「君の切り替えの速さには尊敬さえ覚えるよ」
しかし、これで彼は落ちた。
リーダーくんがボクの胸に夢中になっているうちに股間をまさぐって、そういう雰囲気にしてしまえばあとはこっちのもの……あっ。
「残念。戯れはここまでみたいだよ、リーダーくん」
「なに言ってるんだよ、いまさら。ご主人様だろ? ほら、リピートアフターミー」
「ボクは忠告したからね、ご主人様」
「えっ」
彼の後方――部屋の入り口を指さす。
振り返ると、そこには絶対零度の眼をしたユウナが立っていた。
「お財布忘れて取りに帰ってきたら……なにしてるの、愛人くん」
「ゆ、優奈さん? これは……その、違うというか誤解といいますか……」
「誤解? 私にはそういう趣味の人にしか見えなかったけどなー」
ユウナはおろおろとする彼に取り合わず、財布を仕舞うと部屋を出ていく。
そして、ドアが閉まり切る前にリーダーくんを見て、瞳が笑っていない笑顔になった。
「今の愛人くん、ちょっと気持ち悪いよ」
「ぐはっ!?」
クリティカルヒット。彼は胸を押さえて、その場に倒れこむ。
……さすがにちょっとやりすぎてしまったかな。
あとでボクもフォローしておこう。
事情を説明すればユウナも理解してくれるはずだ。
彼女も相当な初心だからね。
これを機に男性の機敏について学んだほうが良い。
……さて、それはそれとして。
「リーダーくん」
「なんだよ……」
「ズボン脱がしていいかい?」
「いい加減にしろ!!」
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