第23話 ベレロフォン船上の奈保レオン
「完敗だな」
私の作戦に、ぬかりはなかった。ただ、その作戦が有効なのは人類のみである。
デア・エルルケーニッヒとの角逐に敗れ、私は陶片追放の身となった。
いまはもう、何度目の宇宙世であろうか。
"国際"という言葉は、国と国との関係のことであるが、星と星との関係である"星際”、そして宇宙と別の宇宙との関係を示す"宇宙際"も存在する。
私は地球人が生存している宇宙とは別のところからやって来た。かのベレロフォン船に乗せられて。
ただ、どんなに落ちぶれようとも、最果ての地に飛ばされようとも、主の御慈悲というのはあるものだ。
私はそれを日々の糧として生きてきた。疎ましく思えていた人間とのやりとりも、一人になると心寂しい。まったく我ながら勝手なものだ。
デア・エルルケーニッヒをも打ち負かす存在、いや改心させる者というべきか。
私はあの少年しか思い当たらない。
「レオンく~ん! ちょっとこっち来てくれな~い?」
彼が呼んでいる。いまでは退屈とは無縁の日々を送らせてもらっているよ。
翼よ、あれがパリの灯りだ 三重野 創(みえのつくる) @tsukuru296
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