別れ話
別れが縺れた。君の家に行く、夫と子どもにすべてを話し裁いてもらおうと彼は言った。投げやりだった。私ももう投げやりだった。彼をなんとか説き伏せることも、夫と子どもたちを今日この時間だけは他所へやっておく工作も、諦めた。それでも気はそぞろで時計の針が進むのに怯えながら、リビングのソファに腰を落ち着けて、窓の外を横目に見る。この家からむこうへのびる、冬晴れの白い一本道。人影が歩いてくる。風はない。夫と子どもたちの戯れる声が裏庭のほうから聞こえる。家の前まで来た彼が、インターホンを押す。その音に愛犬が高く吠える。
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