腹の傷


随分と痩せたと言うと、少し前に手術をしたからと彼女は答えた。子宮にメロンほどの腫瘍があったと爽やかに笑って、服を捲り、傷痕を見せる。子を産めなくなったという。かつて初めて男を知る時には、裸になっても腹には毛布をかけて、頑なに隠したがった。昔と変わらぬ白い皮膚に、大きな紫の縫い傷があり、そのまわりがビロードのように波打っている。


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