少女とショッピングモール
近所の小さなショッピングモールが取り壊されるかもしれないと聞き、6年と11ヶ月ぶりに家の外へ出た。やわらかく曇っていた。古いなりに賑わっていた昔とまるで違い、空きテナントばかりで、100均とドラッグストアだけにまばらな人影がある。少し歩いただけでひどく動悸がして、エレベーターの前にあるベンチに蹲った。不意に、右手を白い小さな手に強く握られ、パパ、と呼ぶ声がした。顔をあげると、見知らぬ少女が目の前にいる。どうやら人違いをしたらしい、少女は瞬時に手をほどき、走り去った。消えてしまうなら一目見ておきたいと思った最上階のゲームセンターは既になかった。
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