遺影


これからパネルに使う写真を撮る、自らを値踏みの視線に投げ出す、それなのに彼女はあっけらかんとしていた。長くカメラマンをしたが、化けようとしないひとは初めてだった。どう撮られたいか聞くと、好きなようにとだけ言った。撮影した次の日に自殺した。遺書には、風俗の仕事のために撮った写真を遺影にしてほしいとだけ書いてあったらしい。


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