第12話 決意
あたしは、もうすぐ訪れる、クリスマスに欲しいイエンのことを考えるとともに、ある決意をしていました。
「やっほー! メロ奈ー! 元気にしてルー? もうすぐクリスマスダネー!」
「……」
「あれぇ? またムシー?」
「……」
「アンタ、それ、ナニ引きずってんのヨー?」
「……」
「ネェー、聞いてル……ヒィアッッ!!!」
「あはははは」
「え? ちょっと、ナニこれ…………灯油……? …………っっ!!」
「さよなら、ウィークミー」
「いや、ア、ちょ、チョット待っ……」
あたしは、ライターの火をつけて、それを、灯油をかぶったウィークミーに向かって投げました。ウィークミーは、きっと素手で投げられたライターを掴むなんて無謀だと分かっていたはずですが、パニックになっているゆえに、必死に、その両手でライターを掴もうとしました。案の定、ウィークミーは、指先から炎に包まれていきました。
「いやあ、イヤアっ!! 痛い、痛いヨっ!! タ、タスけて、メロ奈!! お願い、ダカラッッ!!」
「もう、二度と、あたしの前に、現れないでね」
「いやあアあアア!!!! ………………」
「……」
ウィークミーは、全身炎に包まれて燃えていきました。怖いものが無理なあたしですが、ウィークミーの燃えていくその姿を、あたしはしっかり見ながら、目に焼き付けていました。大嫌いなアタシを殺したことと、その犯してしまった罪を覚えておくために。
燃えた後にはライターがあるだけで、他には何も残っていませんでした。あたしは、灯油を入れていたものをもち、落ちていたライターを拾って、その場を後にしました。
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