第8話 Me vs mE

 あたしは勉強するのが好きでしたから、たとえ友達関係に悩んでいたとしても、イエンがいるだけで毎日、学校は楽しかったのです。ですが、次第に学校はイライラする嫌いな場所になってしまいました。彼女たちが、や、先生が、ではありません。Rとイエンが話しているのを見なくてはならないからでした。Rが転校してきたあの日から、あたしの予期した通りに二人は、毎日、仲良く話していました。

 あたしは、ジレンマに陥っていました。ウィークミーとは別の、もう一人の「あたし」がいて、学校に行って、イエンに会って話したい欲と、二人の楽しそうに話している姿を見たくない欲とで、戦っていました。あたしは、どちらの自分が本当の自分であるのか分かりませんでした。ですが、同時にどちらの自分も本当の自分であるようにも思えたのでした。

 庭の花を見てみると、あの花のとなりに、同じ種類で、でもそれより少し淡い色の花が咲いていました。それらは、ちょうど向かい合うようにして、咲いていたのでした。

 

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