第7話 R
そんなときでした、邪魔者が入ってきたのは。
今日、学校に転校生が来ました。彼女は名を名乗って、イエンの近くに座りました。あたしは、彼女を一瞥して、すぐに顔をそらしました。あたしは、その時からすでに、少しばかり彼女のことを嫌に思っていました。なぜなら、名前の順番が離れているために、近くに座っていないあたしからしたら、知らない女がイエンの近くに、初日から座ることが許せなかったからです。
あたしは、何度か、Rと関わろうとしました。いくらRのことを嫌に思っていてもこの学校のことを教えて、案内したいと、純粋に思ったからです。ですが、Rは、「いらないわ」と冷たく言って、すぐに去って行ってしまいました。あたしのことをおせっかいとでも思ったのでしょうか。あたしの、Rに対する嫌な気持ちは、そこで増したのでした。
あたしは、人に指図されるのが嫌いでした。なにせあたしは、なんでも自分の力でやりたかったからです。
体育の授業でソフトボールをしているときでした。守備側になったあたしたちはそれぞれ、グラウンドに散って、適当にポジションにつきました。あたしは、遠くに打たれたボールが取れるような位置にいましたが、その時でした、Rがあたしに指図してきたのは。たいして知りもしない彼女が、以前、ソフトボール部に入っていたあたしに指図してきたのでした。あたしは静かに怒る人でしたから、何も言わず言われたとおりにしましたが、あたしは、またそこで、Rに対する嫌な気持ちが、増したのでした。
体育の授業終わりに、庭の花を見てみると、あの花のとなりに、同じ種類の花が咲いていました。ですが、その花は、一回り大きくて、もう一つの花に届くはずの日光を完全に遮ってしまっていました。
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