第2話 イエン
あたしには、多いとは言えませんが、いつも仲良くする女友達がいました。ですが、正直に言って、彼女たちとの関係は薄っぺらいものでした。彼女たちはあまりあたしには興味がなかったのですから。あたしが、勝手に思っているだけかもしれません、あたしの書いた小説を読んでくれないからって。ですが、どうしても、一生懸命小説を書くあたしにはそう見えてしまうのでした。
ですから、あたしはイエンと一緒にいるのが好きでした。イエンとあたしは友達でした。彼とは、二年間、一緒のクラスだったので、今年から一緒になった人々より深い関係にありました。また彼は、あたしの書く小説が好きだと、更新するたびに読んでくれる人でした。
彼はしばしば、学校に遅れてくる男でした。あたしが理由を問いただすと、いつもキザっぽいセリフを言って、あたしを笑かすのでした。それと同時に、彼はそうやって、たくさんの女たちを喜ばせているのだと思って、胸が苦しくなりました。彼は顔も格好良かったですし、その性格と合わせて、彼のことを好きになる女は多いのだろうと思いました。ですが、見渡してみると、あたしほど、彼に話す女もなく、彼の方も、あたし以外、他の女に話しかけている様子はありませんでした。あたしはそれをとても嬉しく思って、思わず笑みがこぼれてしまうほどでした。
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