第5話 背比べ

幼馴染のナミは背が高く、中1で既に170cmだった。俺は小学校のときから、いつも見上げるように話していた。「ちーび」「うるせえデカ女」


こんなやり取りも段々としなくなり、何となく疎遠になって、お互い言葉も交わさないまま大学生になった。


久しぶりに帰省すると、家の前にナミがいた。「リョウ、久しぶり。おばさんから帰省するって聞いたから、さ」

立ち上がり、横に並ぶ。

ナミが笑顔で見上げて言う。

「抜かされちゃったね」


その笑顔があんまり可愛かったのと、ナミが背伸びして顔を近づけようとしたから、口づけた。鳥がついばむみたいに。

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