第2話 塔
私達は、塔を登っている。止まることも引き返すこともできない塔だ。
先に何が見えるのか、と焦って走る必要はないのではないか?
今見える景色を、しっかりと見つめて目に焼き付ける。
高校生の自分、大人になった自分。
辛かったことは刺さって抜けない。でも忘れないで、楽しかったことも確かにあったはず
高みから見える景色は、どんなに素晴らしいんだろう。
最期の日、塔の天辺から見下ろす自分を夢見て、今日も生きる。
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