あやかし屋敷で夕食を&九十九さん家のあやかし事情(非公式コラボ)




「うちは、兄が過保護で」

 凜々しい顔つきの先輩が溜息をつく。あかねはじっと先輩を見つめた。

「先輩も……?」

「も、とは」

 この先輩は、どこからどう見てもちゃんと女の子だし、男っぽく振る舞っているということもない。それでも、やや言動がパキパキしているので、下級生の女子に人気があった。

「九十九さんも?」

「うちは両親がいなくて……兄が五人いるんですけど」

「五人!」

 いつも冷静な態度の先輩が、さすがに目を剥いた。「ひとりでもあんなに鬱陶しいのに、五人もいる……だと……」

「藤塚先輩のお兄さんは、ひとりなんですか」

「……兄は」

 凜々しい顔つきの先輩は、どことなくためらいを見せてうなずいた。「ちょっとそれ以外にもいろいろいる……父親代わりとか用心棒とか執事みたいなのとか……」

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