あやかし嫁入り縁結び
にゃーん、と声がした気がして、結維は部屋から出た。
「あ、やっぱり」
さんさんと陽光が降り注ぐ廊下の向こう、窓の外の庭に、白い猫がいた。
結維が窓をあけると同時に、玻璃はぴょいぴょいと近づいてきて、ふわん、と少年の姿になった。
「よう、嬢ちゃん。こんにちは」
「こんにちは、玻璃さん。お茶でもいれる?」
「おっ、ありがたいな」
美少年はにこりと微笑むと、濡れ縁に腰掛けた。結維は窓をあけたまま、そそくさと部屋を突っ切って台所に入る。
「小太郎。玻璃さんきたから、お茶にしよう」
声をかけると、冷蔵庫をあけていた小太郎がふり向いた。
「そういえば、もうそんな時刻ですか。結維どのは何がよろしいですか?」
「いつも小太郎にやってもらってるから、わたしがやるよ」
結維はさっさと急須と湯呑みを取り出した。
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