第17話 未来の私の発想力に期待しよう

「朔夜ちゃん、私を連れて飛ぶことは出来る?」

「え? やったことないから分らないけど……多分? あ、でも今は無理」


 そりゃそうか。

 私たちは昨夜こっちに来たばかりで、慣熟訓練どころか試射さえまともに行えていないのだ。

 その上、今の私たちは魔法少女の防具武器ステッキも失った状態。これで飛べるはずもなく……そっか、変身とけてるんだっけ。


 私はマジマジと朔夜ちゃんの顔を見つめる。

 変身がとけた今、その姿は日本人のそれに戻っている。

 黒髪ロングでパッツン前髪。銀髪も素敵だったけど、こっちも美人さんだわ。うん、和風美人。

 ちょっと涙を浮かべた瞳に困ったような表情、白い肌。

 うん。なんかもう、保護欲がそそられる!

 魔法少女の時もそうだったけど、この娘、存在からして可愛い。


 と、と。それはさておき、だ。


「管理精霊。リズお姉ちゃんとメーネさんに声を届けられる?」

(可能だ)

「なら状況を連絡。竜が目覚めたことと、その竜がどこにいて、どういう状況で、町とかに危険があるのか、とか。あと、私と朔夜ちゃんの戦いは回避されて、今一緒にいるとも伝えておいて。それと、こっちは質問だけど、私たちの変身、なんで解除されたの? アイテムボックスも使えなくなってるし。さっき、竜が目覚めたせいだとか言ってたわよね?」

(連絡については承知した。変身が解除されたのは、水竜の力と推測する。かの竜は近隣で発動中のすべての魔法に干渉し、それを解除するという能力を持っており、これによって地域一帯の魔法が全て解除されたものと推測する)

「解除? 解除って具体的には?」

(発動中の魔法から魔力を奪い取るのだ。物質内部に固定された安定状態の魔素や魔力には干渉できないので、非稼働状態だった魔道具は無事できるだろうが、可動状態だった魔道具はのきなみ表層魔力が奪われ、一時的に魔法という現象が維持できなくなってしまった、通電中の電子機器から、回路に通電していたすべての電力が失われた状態になった、と言えば分るだろうか?)

「何となく。ちょっと実験してみるね」


 私はアイテムボックスのベルトに固定した鞘を取り外し、山刀を抜いて近くの茂みにそれを突き立てる。

 山刀は規定の能力を発揮し、茂みを構成する草木があっさりと切断された。

 それを見て、朔夜ちゃんは少し引き気味だ。

 まあね。突然そばで、刃渡り50センチオーバーの刃物を振り回し始めたら怖いよね。ごめんね?


「陽菜ちゃん、いったい何を?」

「あ、うん。この山刀は藪を切り拓くための魔道具なんだけど、魔法が解除されたタイミングでは使ってなかったから、ちゃんと使えるか確認したんだ……あれ?」

「どうしたの?」

「うん。アイテムボックスが使えないのは何でかな、ってね。あのとき、使ってなかった筈なんだけど」

(アイテムボックスは複合魔法の魔道具だ。代表的なところで異次元に空間を確保する魔法とそこに繋げる魔法を使っている。このうち、空間確保の方は、別次元の話だから水竜の能力の効果は受けない。が、接続の方はこちらの世界に半稼動状態の魔法が出ていたため、解除されたのだろう。ベルトを締めてバックル部分に手を置き、20秒待てば再起動・再接続する)

「なるほど」


 言われたとおりにやってみると、アイテムボックスは機能を取り戻した。

 で、中から下着と、部屋着として買ったトレーナーとハーフパンツなどを取り出してそれを着て、靴を履く。

 ついでに、下着類と靴を朔夜ちゃんにも手渡す。


 不意に、演習場全体にサイレンが鳴り響く。

 そろそろお昼かな?

 結構うるさい。


「ところで朔夜ちゃんのアイテムボックスは?」

「あ、戦いになって壊れたら困るので、ショッピングモールのロッカーに入れてきたんだけど……持ってくれば良かったね」

「うん、まあ、全財産入ってるから、なくなると困るしね……って管理精霊、もう一つ質問。変身前に着ていた私たちの服とか靴はどうなったの?」

(ああ、コンパクトに小規模なアイテムボックス機能があって、変身中はそちらに入っている。数着分は収納しておけるぞ。それと、今回のようにコンパクトを持っていない状態で変身が解除された場合や、手放してしまった場合は、呪文で変身すればコンパクトが戻ってくる)


 呪文?

 あー、あれかぁ。


「朔夜ちゃん、呪文で変身したことある?」

「毎回そうしてるけど?」


 なるほど。

 さすが14歳。怖い物知らずだね。


「でも、格好良いポーズとかは考え中なんだ。今度、陽菜ちゃんも一緒に考えようね」

「ま、まあ、それは追々ね……変身するから、ちょっと奥に行くね。眩しいだろうし」


 私は太めの木の後ろに隠れるようにして呪文を唱える。


「ええと? ……スターライトシステムセットアップ……煌めく星の光集め、我が杖、我が衣と為せ、武装アームド」」


 ずしりと両手の中に蛍光ピンクなMP7A1の感触。

 閃光対策で目を閉じていたのだけど、相変わらず眩しいね。そして私が目を開くと、そこには目を輝かせた朔夜ちゃんがいた。


「かっこいい呪文だね。スターライトシステムかぁ。私、英語は苦手なんだよね」

「呪文、朔夜ちゃんのは違うの?」

「私のはこんな感じ」


 シュタッと半身になって右手で空を指差し、左手は地面を指差す。


「世界にあまねく光と愛を」


 両手を左右に広げるようにして、その手をゆっくりと胸に抱きしめるようにして……これは世界と愛を表現してる?


「祈りと共にこの胸に」


 両手を胸の前で祈るように組み、閉じた目線を上に……うん、祈りを表現してるんだね。


「光の力を鎧に宿し」


 少し体を捻って左手で胸の辺りをさらりと撫で……これは鎧の意味かな?


「愛の力は我が杖に」


 両手を何かを求めるように空に掲げて……杖を求めているのかな?

 って、あれか! 何かに似てると思ったら体育でやる創作ダンスっぽい! 妙に熟れてるのは学校で習ったからなのね……とか思ったところで、ふと何かを忘れていることに気付いたが既に時遅く。


光を力にルクシンビルトーテ!」


 瞬間、世界に光が溢れた。

 朔夜ちゃんの変身をマジマジと見ていた私は、物理的な痛みすら伴う光の暴力に、目を押さえてのたうち回ることになった。


「目がっ! 目がぁ!」

「ひ、陽菜ちゃん、大丈夫? 管理精霊さん、回復魔法とかってないの?」

(対象の治癒を祈りながらそのステッキに魔力を込めるだけでいいが……こいつは魔法少女状態だから、すぐに回復するぞ?)

「えーと、聖なる力よ、この者の傷を癒やし、痛みを和らげたまえ……ヒール!」

「うわぁ……あれ? 治った?」


 うん。痛みが引いた。

 恐る恐る目を開くと、残像こそ残っているが、目はしっかりと見えているみたいだ。

 銀髪に白い鎧の天使がそこにいた。


「朔夜ちゃんが治してくれたの? ありがとう」

「うん。でも、なんで目を閉じなかったの? 眩しいの、知ってたよね?」

「えーとそれは……」


 昔の創作ダンスの亡霊に苛まされていたとか、古傷が大変なことになっていたとか、まあ色々あるけど、さすがにそれは言えないよね。

 ええと、言い訳……。


「そのね、朔夜ちゃんの変身がとっても格好よくて目が離せなかったんだ」


 嘘じゃない。格好良すぎてアイタタタってなってただけだ。

 私の返事を聞いて朔夜ちゃんは満面の笑顔を浮かべた。


「ありがと、呪文とポーズ、頑張って考えた甲斐があったよ」

「うん? 考えた? 呪文を? 管理精霊、どういうこと?」

(うむ。朔夜は呪文を考えるのに数時間を要し、まだ先ほどのは暫定だと言っておるのだ。時間の浪費は望ましくないだろう? だから、お前の呪文はこちらで暫定版を用意した)


 ほう?

 暫定版なのか、あれ。


「呪文変更できるなら、もっとシンプルにしてほしいんだけど。武装アームドだけとか」

(あい分った……だが、あまりに短いと誤変身の事故があるやも知れぬ。もう少し長めにしておいた方が……おや? 済まぬが、既にロックされてしまっている……上位権限で行われておるから私では変更はできぬな)

「ロックされてるってどういうこと?」

(暫定呪文として仮登録しておいたのだが、確定されて本登録されてしまっているのだ。上位権限で行われていると言うことは、至高にして全てを見通すお方の御業だ。あの呪文が気に入ったから変えるな、ということなのだろう)


 上位権限者によるロックじゃ、管理精霊は出来たとしても解除はしないだろうね。

 あ、そうだこれ聞いとかなきゃ。


「質問なんだけど、さっき私ってば魔法少女状態で閃光を見ちゃって目がすっごい痛かったんだけど、あれって閃光が攻撃としてカウントされてるってこと?」

(うむ。お前達の文化にはスタングレネードと言う武器があっただろう? そのイメージがお前達にあるから、朔夜の変身時の閃光が攻撃魔法として発動したのだろう)

「えっと、じゃあ、私たちにそういうイメージがなかったらどうなったの?」

(眩しいには違いないがダメージとはならなかっただろうな……ところで、あの女達が傭兵の女の乗り物でこちらに向かっておるぞ?)

「え? あの女達って……リズお姉ちゃんたち? なんで? こっちの場所、分らないんだよね?」

(水竜の件を伝えた際に聞かれたので方位と距離は伝えた。森に入ればお前が切り拓いた道が道標となろう。そろそろ到着すると思うのだが)


 言われて耳を澄ましてみる。

 こちらの自動車は内燃機関で動いているわけではないから、エンジン音が聞こえることはないだろうけど。

 しかし耳を澄ませてみると、私が切り拓いた道の方からガサガサペキポキと音が聞こえていた。


 少しすると音の方向に緑色のごつい四輪駆動車っぽいのが茂みを押し倒しながら現れた。

 それを見て、如何にも軍用車っぽい無骨なフォルムに、朔夜は怯えるように数歩後ずさる。


「あれ? 装甲車? 味方、なんだよね?」

「あ、うん。ここはこの国の傭兵ギルドの演習場で、あの車はここの傭兵の人のだから怖がる必要はないよ。私たち、別に悪いことしてるわけじゃないんだし、何か言われたら、同郷の私に会いに来たって事にしよう」


 元々の目的は襲撃か強襲偵察だったんだろうけど、被害は出ていない。

 私が納得しているんだから、文句は言わせない……つもりだけど、リーンさんって真面目そうだったし、子供が入るとは何事か! くらい言いそうだなぁ。あ、私の方がもっと幼いんだっけ。


 装甲車は私たちの目の前に停車し、後部座席のドアを開けてリズお姉ちゃんが顔を出した。


「陽菜、乗って。急いで」

「リズお姉ちゃん。わざわざ迎えに来てくれたの?」

「ああ。今から避難するから急いで乗って……そっちの魔法少女とは和解したって事だけど、一緒に乗っていく?」


 敵対する悪の魔法少女、という誤解がまだ解けていないから仕方ないけど、リズお姉ちゃんの反応は少々きつめだった。

 その迫力に朔夜ちゃんは困ったような顔で私を見る。

 私は朔夜ちゃんの手を握って装甲車の方に引っ張った。


「朔夜ちゃん、一緒に行こうよ。ここにいても仕方ないし……ってリズお姉ちゃん、今、避難するって言った?」

「そうよ。ここから西に7キロ、北に10キロの海底で水竜の活動再開が確認されたの」

「あれ? 前に竜のこと、空飛ぶ鉱山とかって言ってたよね? 倒し方が確立されてるのに倒さずに逃げるって……あ、相手が絶滅危惧種だから?」

「……そっか、陽菜は知らないんだっけ。そっちのお嬢さん、竜の知識は?」

「見た事もありません。私のことは朔夜と。あ、この姿の時は月影の騎士とかでも構いませんけど……」


 月影の騎士かぁ。

 早めに止めてあげるべきか、思う存分やらかしてもらうべきか。

 私はそんな事を考えながらMP7A1を消し去って装甲車に乗り込んだ。


「そっか……あ、とりあえず乗ったらドア閉めて……リーンさん、出してください。ええとね。竜というのは、そう、犬とか馬みたいな全体の名前で、その中が細分化されてて、その一種がドラゴンで、更に色で分類されてるの。で、今回現れたのはドラゴンじゃなく、精霊竜に分類される水竜というヤツ」


 あれかな? 地球の生物分類のように考えると、魔物類、竜目、ドラゴン亜科、レッドドラゴン科とか?

 で、水竜は、魔物類、竜目、精霊竜亜科、水竜科とかで、まったく別物?


「それってどの程度違う生き物なの?」


 例えば地球の分類だと同じ食肉目(ネコ目)でも、亜科が異なるとイヌ亜科とネコ亜科で犬と猫ほどにも違うし、何なら熊もアシカもアザラシもイヌ亜科に属する生き物だ。

 アザラシの顔をよく見ると耳をペタンと撫で付けられた柴犬そっくりだったりするけど、そうやって似ている部分もあれば、全く異なる部分もある。


「シルエットやパーツは似てる部分もあるけど、全然別の生き物。精霊竜は竜の中では最強クラスで、対抗できる生き物はいない。台風や地震とかと同じで、それが出たら自分の方に来ないように祈りながら通り過ぎるのを待つしかない災害。だから避難しようとしているんだ」

「……ええと? あれ?」


 倒せない?

 ガトリングガンみたいな魔道具があって、それを使う傭兵がいても倒せない竜。

 なんだろ、日本にそんなのいないし、ちょっと見当が付かない。

 強いて言えば……ゴジラ?


「陽菜ちゃん、私たちの出番かな?」

「えーと……台風相手に私たちじゃ何も出来ないと思うんだけど」


 朔夜ちゃんはどうか知らないけど、私の武器は短機関銃を模したステッキで、魔法も打ち出せるけど、射出プロセスは火薬を使う。

 だから狙った場所に銃弾を届けられる有効射程距離はせいぜい200メートルかそこら。

 もしかしたら、対戦車ライフルならもっと射程が伸びるかもだけど、それでも弾丸を撃ち出す仕組みは変わらない。

 そりゃ、魔法のステッキで無限に弾丸を生み出せるけど、私の中の常識が、銃弾は火薬で撃ち出すものだと考えてしまっていて……。


「あ」


 私は少しイメージを変えてMP7A1を呼び出した。

 うん。付いてる。


「陽菜ちゃん、どうしたの?」

「うん。ちょっと改造してみたんだ。安全な場所についたら、試射してみたいな」


 MP7A1本体は今日も元気に蛍光ピンクだ。

 その上にはスコープ。右に突き出すようにドットサイト。

 そして。

 懐中電灯フラッシュライトが付いていた銃身の左側がちょっとだけ変わっていた。

 ライトのように見えるけれど、ライトよりもかなり太いそれは、私が日本で一度も触れたことのないオプションパーツだった。

 それに気付いたリズお姉ちゃんが首を傾げた。


「陽菜、それってなんか形が変わった?」

「うん。ええと。こっちの世界にはレーザーってあるかな?」


 誘導放出による光増幅放射。Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation.の頭文字を繋げてレーザーだから、そもそも誘導放出とか光増幅放射って概念がないと出てこないだろうし、出てきてもこっちの言葉でそれがなんと呼ばれるのかは見当も付かないけど。

 それでも、こちらに該当する単語があればきっと翻訳機能が仕事をしてくれるだろうと尋ねてみた。


「前に陽菜がそんな単語を使っていたけど、意味は分らないわね」

「陽菜ちゃん。レーザーって事は、それってもしかしてレーザーポインター? 昔見たのと全然違うけど」

「朔夜ちゃん、詳しいんだ?」

「たまたま知ってただけ。小さい頃、いとこのお兄ちゃんが見せてくれたんだ。でも全然光ったところに当たらなかったけどね」

「あー、光は直進するけど弾丸は放物線で飛ぶからね。適正距離以外では絶対に上下にぶれるんだよ」


 というのを、先ほどの試射で存分に理解した。

 頭で考えれば分ることでも、実際に経験したり教えて貰わなければ気付かないこともある。

 と、それはさておき。だ。


「これはね、ベースはレーザーポインターだけど、実体は強力なレーザー銃かな」

「レーザー銃? SF映画とかで撃ち合ってるあれ?」


 うん。

 最近のアニメじゃあんまり使わなくなったから、映画くらいでしか見ないよね。


「まあその類いだね。本来のレーザーポインターとは全然別物で、この光が当たったら大抵のものは切り裂けるレーザーをイメージしてみたんだ。まあ水竜を切り裂けるかは分らないけど」


 レーザーは位相が揃った光にすぎない。

 ひたすら直進する性質があるだけで、距離が離れれば空気で拡散するため、大気圏内では射程距離は存外短い。また、対象が焼けたとしても、その煙で光が拡散されてしまうため、武器としてはとても使いづらい。大出力にしたところでたかが知れているだろうけど、射手やその周辺への影響を抑える性能付きで、とにかく高威力、長射程のレーザーをイメージしてみた。

 私は原理すらまともに知らないけど、それを言ったら私は火薬がなぜあの組成なのかを正確に論じることはできない。だからこれもアリかなと思ってやってみたら出来てしまったわけだ。イメージした威力の、こんな小型のレーザーが地球にあるのかは知らないけど、こうやって出てきたって事は、魔法少女関連装備制作スタッフ(などというのがいるのかも知らないけど)の許可は通ったのだろう。


「陽菜ちゃんの鉄砲ステッキってビームが使えるんだ?」

「うん。正確にはレーザーだけどね。光線銃。朔夜ちゃんのステッキの魔法は違う……よね?」


 蛍光ピンクのロッド。その先端に金色の大きな星。

 ロッド部分には何やらルーン文字っぽいものが彫られているけど、まあ、どう見ても銃器には見えない。

 私がこれを与えられ、これを使って攻撃しろと言われた場合、先端の星の部分が固くて重いなら、ロッド部分を持って、メイスのように振り回すだろう。

 ステッキは魔法の射出装置って言ってなかったっけ?


「私のステッキの能力は過去に見た魔法少女の魔法や神話・伝承の再現とかそれの進化形を使えるし、同時発動も可能だから、再現する魔法によっては形状も長さも数も変わるよ?」

「最近の魔法少女は戦闘特化型が多いから、相手によって戦い方を変化させられるのは強いね。あ、でもみんなの力を集めるタイプの魔法は撃てない、よね? それとも同時発動でクリアしちゃう?」

「あくまでも個人用だから、協力魔法は使えないと思うけど。でも個人用なら、自前だけじゃなく周囲の魔力を集束して使うタイプの魔法でも撃てるらしいから、結構強力だよ?」


 ほう、そんな魔法を使う魔法少女もいるんだ。

 そんなの撃ったら、魔素が増えるどころか減るんじゃないのかな?

 それにしても、すごい依怙贔屓を感じるのだけど。

 力が欲しいかって聞かれたときに私も色々リクエストしておくべきだったのかな。


「カートリッジ式の魔法とかも使えるし、カード式の魔法もOKで、鉄砲の魔法も使えるから、陽菜ちゃんと並んで戦うことがあったら、それ使うと格好良いかもね」


 鉄砲の魔法、最近だとティロ・フィナーレとかかな?

 う……あの物語みたくならないように守らなきゃ。


 それはさておき。

 試射してみないと威力は分らないけど、イメージ通りならそこそこ強力な遠距離攻撃手段が出来たと思う。

 積極的に水竜と戦うつもりはないけど、逃げるとき、素のMP7A1の性能だけじゃ心許ないからね。できればレールガンとかビームとかが良かったんだけど、そっちは大まかな理論を知ってる分、携行武器としてイメージが出来なかったんだよね。うん。未来の私の発想力に期待しよう。


=====

補足


>(発動中の魔法から魔力を奪い取るのだ。物質内部に固定された安定状態の魔素や魔力には干渉できないので、非稼働状態だった魔道具は無事できるだろうが、可動状態だった魔道具はのきなみ表層魔力が奪われ、一時的に魔法という現象が維持できなくなってしまった、通電中の電子機器から、回路に通電していたすべての電力が失われた状態になった、と言えば分るだろうか?)

まあ、最強と呼ばれる所以はこの辺にありますね。

魔法が基礎となっている世界で、それらがすべて、短い時間とは言え使えなくなってしまうのです。

現代の地球に置き換えたら、一瞬にしてすべての機器が停止し、エンジンも停止、火薬も点火しなくなるとか、そんな感じでしょうか?

武器も防具も移動手段も、使用中だったら全部ブラックアウトです。

しかも少なくとも半径10キロ近い影響範囲。


>ベルトを締めてバックル部分に手を置き、20秒待てば再起動・再接続する

フルチャージじゃありません。20秒で起動用魔力を回路に充填しているのです。

それだけ入れておけば、所有者から自動的に吸い上げる機能が生き返りますので、再起動できるのです。


>コンパクトに小規模なアイテムボックス機能があって、変身中はそちらに入っている

うん。まあ、あまり詳しくはありませんけど、多分普通の設定ですよね?

そういうのがないと、変身解除したら全裸になっちゃうw


>何かに似てると思ったら体育でやる創作ダンスっぽい!

創作ダンスなんて滅べば良いと思いますw


>ルクシンビルトーテ

結構迷いましたが、たまたま朔夜が知っていた外国語で格好よさげなの、ということでこれにしました。

ラテン語です。

中二病罹患者としては、ドイツ語が正しいかな、とも思いましたが、ラテン語も特別感があって好きなのです←中二病罹患者(重篤)。


>そのイメージがお前達にあるから、攻撃魔法として発動したのだろう

とはいえ、オリジナル準拠で非殺傷兵器扱いなので、痛くて眩しいだけで済んでます。


>強いて言えば……ゴジラ?

実はゴジラは倒せる(オキシジェンデストロイヤー)し、封印(凍らせたり火山の火口に落としたり)もできる存在なので、地震や台風の方が厄介なのではないかな、と。

まあ映画の場合

「結局ゴジラは倒せませんでした。今日もゴジラは日本列島を元気に蹂躙しています」

じゃ話にならないので、何らかの解決策は必要なのでしょう。


>「レーザー銃? SF映画とかで撃ち合ってるあれ?」

ビームの方が良かったんだけど、それだと加速器がないとか突っ込まれそうなのでw

アニメだとレーザーはあんまり見掛けなくなりましたね。

ヤマトのパルスレーザーは新しいヤマトでもレーザーなのかな?


>「陽菜ちゃんの鉄砲ステッキってビームが使えるんだ?」

レーザーとビームの違いを理解している一般人は少ないです。

そんなことない、と思ったあなたは割と逸汎人かもしれません。

どっちも凄い光線とひとくくりにされがちw

まあ、レーザービームという呼び方もありますからね。


>過去に見た魔法少女の魔法や神話・伝承の再現とかそれの進化形を使えるし、同時発動も可能

(力が欲しいか)

「過去に見た魔法少女の魔法や神話・伝承の再現とかそれの進化形を使えて、同時発動も可能な魔法のステッキください\(・∇・)/」

(ええと?)

「過去に見た魔法少女の魔法や神話・伝承の再現とかそれの進化形を使えて、同時発動も可能な魔法のステッキください╭( ・ㅂ・)و̑ グッ」

みたいなやりとりがあったのだろうか。


>自前だけじゃなく周囲の魔力を集束して使うタイプの魔法でも撃てる

どこの高町なのはさんなのでしょうか。


>カートリッジ式の魔法とかも使えるし、カード式の魔法もOKで、鉄砲の魔法も使えるから

ベルカ式。

カードキャプター式。

巴マミ式。


>そっちは大まかな理論を知ってる分、携行武器としてイメージが出来なかったんだよね

中途半端な知識が邪魔をしてイメージが出来なくなっているのです。

ビーム砲を、と思っても、でも粒子加速器が必要だとねとか、レールガン構成できたとしても加速用の砲身を手で持てるとも思えないし、反動で死ぬよね、とかですね。


>未来の私の発想力に期待しよう

明日の私、頑張れ!ということですね。私もよくやりますw

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